新型コロナワクチン接種のリスク管理について

令和3年第1回定例会6月議会(6月16日(水)) 質問4項目め

○議員(丸谷聡子)

4項目め、新型コロナワクチン接種のリスク管理について4点お聞きします。

既に答弁が出ているものもありますが、論点が違うところもありますので、通告どおり質問させていただきます。1点目、ワクチン接種予約の課題と改善策について。65歳以上の高齢者のワクチン接種予約において、予約開始日以前にかかりつけ医で予約がとれていたことについて、私のほうにも複数の市民の方から疑問の声が届きました。そこで、その際、担当部長にお尋ねしたところ、市はその行為を認めているというような発言がありました。しかし、今本会議ではルール違反、不公平な対応との答弁があり、私はこの違いに大変戸惑っています。また、接種券と一緒に送られてきた文書には、電話とインターネットによる予約の仕方についての説明は書かれていますが、かかりつけ医で予約できることは一言も書いていません。一方で、接種できる医療機関名と電話番号は明記されており、ある病院では一日中電話が鳴り続けて大変だったそうです。さらに、医療機関で直接予約がとれることを口伝えで知った市民が医療機関に押し寄せ、長蛇の行列ができている光景も目の当たりにしました。なぜ、このようなことになったのでしょうか。私は、かかりつけ医にお願いし、基礎疾患などがあり、感染リスクが高い方を優先的に接種できる仕組みはよいことだと思いますし、否定するものではありません。ただ、かつてない迅速かつ適正な判断が求められる状況だからこそ、市民が混乱しないよう正しく情報を公開し、市民に伝える必要があったと思います。このようなことが二度と起こらないよう、改善策を講じることと、今回起こった公正を欠く事態を市民にきちんと説明する責任があると考えますが、市の見解を問います。

2点目は、ワクチン接種時の過誤防止対策について。他市ではワクチン接種時に同じ注射器を2回使用した、生理食塩水で薄めるのを忘れて原液を接種したなどの過誤が散見されます。また、接種券がなくても本人確認できれば接種は可能であることから、日にちを空けずに2回目を接種したり、3回以上接種したりということもあるようです。本市は、このようなことが起きないような対策はできているのでしょうか。一昨日、本市においても空の注射器を使用したというようなことがあったようですので、今後についてしっかりした対策と見解を問います。

3点目は、ワクチン接種による差別防止について。ワクチン接種を希望しない市民が差別されることがないよう、どのような対策を講じていくのか見解を問います。

4点目は、学校でのワクチン集団接種について。神戸市は学校での集団接種を検討するとの報道がありました。市内の保護者の方から、アレルギーなどがあり、接種を見合わせたいが、集団接種になるといじめの対象にならないかと心配の声をお聞きしています。既に本市は実施しないとの答弁がありましたが、ほかの多くの自治体が実施したり、国から学校での集団接種を推奨するような方向性が出たりしても、実施しないということでよいでしょうか、見解を問います。

以上、明確な御答弁よろしくお願いいたします。

○感染対策局長(違口哲也)

感染対策局長でございます。

御質問4項目めの新型コロナワクチン接種のリスク管理について、順次お答えをいたします。

まず1点目、ワクチン接種予約の課題と改善策についてでございますが、5月20日から電話及びインターネットでワクチン予約の予約受付を開始いたしましたが、一部の医療機関で事前に予約を受けていたという状況がございました。事情も分からずに予約を待ち望んでいた市民の方にとっては不公平な対応であったと認識をしておるところでございます。事実が判明後、早々に医療機関への事前周知に課題があったと考え、市医師会を通じてルールの徹底をするよう注意喚起を行ったところでございます。今後は医療機関での個別接種につきましても、市で予約状況を把握するなど、市民の皆様に不公平感が生じないように改善をするとともに、予約の仕方につきましても、市民の皆さんにより丁寧な広報に努めてまいります。

次に2点目、ワクチン接種時の過誤防止対策についてでございますが、議員からありましたように、本市におきましても先日、集団接種会場において注射器にワクチンを充填しないまま接種を行った可能性がある事案が発生をいたしました。誤って接種した市民の方には深くおわびを申し上げるとともに、再びこのようなことのないよう、ワクチンの希釈と注射器への充填については、作業工程を点検する看護師を新たに配置するほか、接種の前に注射器に接種液が充填されていることを再度確認するなど、再発防止を徹底しているところでございます。加えて、ほかの集団接種会場とも今回の事案をしっかり共有するとともに、改めてチェック体制の確認や業務マニュアルの周知徹底を図ったところでございます。安全・安心を前提に、引き続きより丁寧に円滑なワクチン接種に努めてまいります。

3点目のワクチン接種による差別防止についてでございますが、ワクチン接種による予防の効果のメリットと副反応のリスクの双方について、十分な御理解を頂いた上で、本人の御意思で接種頂く任意接種であり、強制的なものではございません。また、体調の問題などで接種できない方もいると伺っており、ワクチンを接種していない方にその理由を問いただすことはもちろん、ワクチンを接種していないことに対する誹謗中傷や不利益な取扱いを行うなど、差別的な行為は決して許されるものではありません。本市では、本年4月に明石市新型コロナウイルス感染症の患者等に対する支援及び差別禁止に関する条例を施行しており、嫌がらせなどを受けた方が気軽に相談できる窓口として、コロナ差別相談窓口を開設するなど、差別や偏見、誹謗中傷が行われないような環境づくりに取り組んでいるところでございます。今後も引き続きワクチン接種を加速化していくことと併せまして、広報紙やホームページ等を通じてワクチン接種に関する正しい知識や正確な情報の発信に努めてまいります。

最後に、4点目の学校での集団接種についてでございますが、学校での集団接種につきましては、希望される児童への接種の機会が増え、一斉に接種することで集団の予防効果が期待できますが、一方で、打ちたくない児童やアレルギー等の関係で打つことのできない児童が仲間外れになるなど、不利益を被るおそれがあり、学校生活に与える影響は非常に大きいと考えております。加えて、ワクチンによる身体への長期的な影響が明確になっていない点も踏まえ、本市といたしましては、現時点で児童を対象とした集団接種を実施する予定はございません。御理解賜りますようよろしくお願いいたします。