化学物質過敏症(香害)への対策について

令和3年第2回定例会9月議会(9月16日(木)) 質問4項目め

○議員(丸谷聡子)

4項目め、化学物質過敏症(香害)への対策についてお聞きします。

化学物質過敏症は、洗剤、柔軟剤、アルコール消毒剤、芳香剤など、日常生活で私たちが何げなく使用しているものに含まれる化学物質に接触することで、頭痛や倦怠感、不眠など、多岐にわたる症状が現れる疾患で、一度発症すると、ごく僅かな化学物質に対しても敏感な状態となります。まさに健康被害であることから、香りの害、香害と言われています。私は、平成29年12月議会において、化学物質過敏症で周囲の理解が得られにくく困っておられる市民の声を受けて本会議質問を行い、その後、すぐに市のホームページで化学物質過敏症について御理解と御協力をお願いしますを掲載していただきました。市が理解を求める文書を公表してくれたことで、周りの理解が得られやすくなったとの声を聞いています。しかし、ホームページ掲載だけでは周知にも限界があります。また、最近は、今まで以上に化学物質に過敏なために生活しづらい市民の声を多くお聞きするようになりました。そこで2点質問します。

1点目、2019年から2020年にかけて実施された日本消費者連盟のアンケート調査で、児童生徒にも香害の被害を受けている子供が一定数いることが明らかになりました。他の自治体では、学校に行けなくなった児童生徒もいるようですが、本市の実態についてどのように把握し、対応しているのか、見解を問います。

2点目、本年8月、消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省の5省庁連名で作成した香害の周知と香り製品の自粛を求める啓発ポスターが、各自治体に配布されました。本市はどのように活用されたのでしょうか。これを機に、市民の理解促進のため、明石市独自の啓発ポスターやチラシを作成し、学校や公共施設で掲示、配布したり、研修などを通して教職員への周知をしたりするなど、本市でも独自の取組を進めるべきと考えますが、見解を問います。

以上、御答弁よろしくお願いいたします。

○教育局長(北條英幸)

教育局長でございます。

私のほうからは、御質問4項目め、化学物質過敏症(香害)への対策についての1点目、実態把握についてお答えいたします。

議員のほうからも御紹介がありましたが、日常生活で私たちが何げなく使用している柔軟剤や香りつきの合成洗剤、制汗剤などに含まれる化学物質に接触することにより、目、鼻、喉の刺激症状をはじめ皮膚のかゆみや目まい、吐き気など様々な身体症状を起こすことがあります。そのような健康被害を香りの害、香害と呼ばれるようになっております。学校では、このような香害に対して、保護者からの個別の相談を受け、児童生徒の症状に合わせた対応を行ってきております。例えば、給食配膳時に使用するエプロンですが、これは毎週末、当番の児童生徒が家庭に持ち帰り、洗濯した後、学校に持ってくることになっております。次の当番の児童生徒が使用された洗剤や柔軟剤などの香りを不快に感じる際には、予備のエプロンを着用させるなどの対応を取っているところでございます。現在のところ、香害で悩んでいる児童生徒の全体としての把握はできておりませんが、今後、香りにより健康被害を起こす方がいるということを教職員や児童生徒の香害への理解を深めるとともに、個々の感覚の問題とならないよう、児童生徒の健康状態の資料となります保健調査票を引き続き活用し、実態に合わせ、適切に対応してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。

○感染対策局長(違口哲也)

感染対策局長でございます。

御質問第4項目めの2点目、市民理解促進のための啓発や周知についてお答えをいたします。

議員からありましたポスターにつきましては、消費者庁を中心に5省庁の連名により発信されており、本市においても3通が届いておりまして、あかし消費生活センター、市役所本庁舎2階及びあかし市民広場に掲示をしております。また、本市においては、平成30年1月より市ホームページに化学物質過敏症の対する理解と周囲の方への配慮についてのページを掲載し、広く市民に啓発を行ってまいりました。近年は、その当時以上に香り成分を含む製品の一般家庭における使用が広く浸透し、多種多様な化学物質が日常生活の中で存在するようになっております。そのような中、香りに対する感じ方には個人差が大きいことから、多くの方が、香水や柔軟剤などの香りにより健康被害を起こす方が周りにいることについて認識がされていないという現状があると推察をしております。このような状況を踏まえまして、本市においてもホームページでの啓発にとどまらず、消費者庁で作成されたポスター等も参考にしながら市啓発用のポスターやチラシなどを作成し、市役所本庁舎や市民広場など、市民の往来が多い施設への掲示やデジタルサイネージによる発信などを行ってまいります。また、化学物質過敏症は原因物質、症状、重症度が様々であり、特に集団生活を送る児童や生徒には個別の対応が必要となります。学校現場において、適切な配慮が行われるよう、教育委員会とも連携、協力しながら、周知・啓発に努めてまいります。よろしく御理解賜りますようお願いいたします。

○議員(丸谷聡子)

それでは、4点目、化学物質過敏症(香害)について質問をいたします。これについては明石市独自のチラシなどもつくっていただけるというふうな御答弁頂きました。すごく前向きな御答弁でしたけれども、ぜひ掲示だけではなくて、学校とか保護者の方にもぜひ配布していただきたいと思いますし、本市でも学校において給食エプロンなどで対応されているケースがあるということをお聞きしましたけれども、逆に実際に市民の方で、子供が持ち帰った給食エプロンの香りがすごくて、洗濯機でほかの衣類と一緒に洗えないですとか、それから洗濯機そのものに香りがついてしまって困ったというお話も聞いております。柔軟剤に含まれている中には、マイクロカプセルというものがあって、香料や消臭、除菌成分を閉じ込めて作用を長持ちさせる製品がたくさん出ております。ぜひ、こういった香りの害について、学校でチラシとか、それから保健だよりとか、あと広報あかしなんかでも、ぜひ積極的に周知していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○感染対策局長(違口哲也)

感染対策局長でございます。

先ほど答弁もさせていただきましたけれども、化学物質については、8,000種類とか言われておりまして、例えば、友達と会ったときに洗濯したての服の匂いをかいだだけでなるとか、非常に重大な深刻な方もおられますので、そこにつきましては、そういったことも十分情報も収集しながら、しっかりと啓発には努めてまいりたいと思っています。

以上でございます。