明石市の市民参画推進について

令和3年第2回定例会12月議会(12月8日(水)) 質問2項目め

○議員(丸谷聡子)

2項目めは、明石市の市民参画推進について。

本年9月議会の旧優生保護法被害者支援条例の議案審査の際、市民参画手続についての議論がありました。そのことがきっかけとなり、明石市市民参画条例について、市民の皆さんとともに検証する機会を頂きました。検証する中で、明石市市民参画条例第20条に規定されている明石市市民参画推進会議がこの5年間、1度も開催されていないことが明らかになりました。これでは条例に規定されている事項が適正に行われているか、チェックすることもできません。この重大な課題を早急に解決するため、2点質問いたします。

1点目、明石市市民参画推進会議は、2018年3月を任期とする委員を最後に新たな委員の委嘱が行われておらず、2016年7月25日の会議を最後に、その後5年間、1度も開催されていないのはなぜでしょうか。市の認識を問います。

2点目、市民参画推進会議の委員を速やかに委嘱し、市民に公開された推進会議を開催して、空白の5年間の市民参画手続の運用を検証した上で、市民の声を広く聴きながら、より適正なものにしていくための改善、さらには、2011年4月施行から10年が過ぎていることから、ジェンダー平等や多様性、コロナ禍で急速に進化したデジタル化など、社会情勢に合わせた見直しも必要ではないでしょうか。市の見解を問います。

○市民協働・生活部長(岩﨑充臣)

市民協働・生活部長でございます。

御質問第2項目め、明石市の市民参画推進について順次お答えいたします。

1点目の明石市市民参画推進会議が5年間開かれていないことについてでございますが、本市の市民参画制度につきましては、明石市市民参画条例第3条の基本原則に掲げられているとおり、すべての市民に参画の機会が保障され、市民と市長等がお互いの情報共有の下、両者の信頼関係に基づき、市政に多様な市民等の意見を反映することを基本とするものでございます。

この基本原則の下、本市の市民参画を推進するため、同条例第20条の規定に基づきまして、市の附属機関として明石市市民参画推進会議を置くこととされております。この市民参画推進会議は、本条例の改廃や参画制度の運用状況及びその評価等などの事項について、市長からの諮問に応じて審議するほか、市民参画手続の運用全般について市長等に意見を述べるといった役割を担い、学識経験者や公募市民など11名以内で構成されるものでございます。本条例が施行された平成23年度以降は、庁内各課で行った前年度の市民参画手続の実施状況について確認し、適切に行われたかチェックするため、毎年、推進会議を開催してまいりました。そして、このような取組が5年目となった時点で、改めて適切な時期に適切な方法でより多くの市民の参画を得て多様な市民の意見を市政に反映するという条例の趣旨が生かされているのかを検証するため、平成28年3月に、市から推進会議へ制度運用上の課題・問題点を踏まえ、今後の条例の運用や市民参画の在り方などについて意見を求める諮問を行うこととなりました。この諮問を受け、推進会議では3回にわたる議論を行い、市民参画条例の今後のありかたについての答申を行いました。この答申の中で、これまでの市民参画手続については、高い実施率で推移し、意見公募手続における意見聴取期間の日数や意見の提出件数、審議会等の女性委員の比率など、前年度の手続の実施状況の数値的なモニタリングを中心に行い、おおむね適正かつ堅実に実施されてきたと評価を頂いた一方、条例制定後の時間経過とともに、定められた手続を踏みさえすればよしとするようなケースが見受けられるなど、条例の趣旨が反映されていない懸念もありますとされ、次のような提案を頂きました。

まず、意見公募手続による意見件数が少ない現状に対し、ターゲット層を決めて、そこに直接投げかけるやり方や、地域組織やテーマ性を持った組織を活用すること。次に、どの参画手法を取るのが適切かについては、対象事案により異なり、市民の関わり方により適切な手法を用いるよう判断すべきであり、判断できない場合は審議会などに意見を求めること。また、審議会の運営については、委員に対し政策に係る学習のサポートや委員の女性比率向上のためのさらなる工夫を講ずること。そして、市民参画推進会議については、これまでは前年度の実施状況のモニタリングのみにとどまっていたが、今後は社会情勢の変化に伴い、市民参画の在り方そのものを見直す役割を担うべきといったことなどでございます。

この答申を受け、市としては、参画手法については答申での指摘に対応するよう、庁内各課に働きかけるとともに、市民参画推進会議については、答申の内容を踏まえ、形式的なチェックとなることを避けるため、毎年行っていた推進会議へのモニタリングの諮問を一旦休止することといたしました。一方で、庁内の参画手続についての実施状況は毎年取りまとめて、市ホームページで公表しており、いつでも意見を頂けるようにしているところでございます。このようなことから、現在は市民参画制度についての見直しが必要となったとき、または同条例第19条6項に規定する政策提案手続の再検討の求めがあったときに、推進会議を開催することとしておりまして、結果的に、ここ数年は開催されていない状況となっております。

次に、2点目の市民参画推進のための改善や見直しについてでございますが、市民参画の在り方につきましては、本市としても、平成28年度の推進会議の答申内容を重要な課題であると認識しており、全庁的に対応を進めているところでございます。しかしながら、市民の皆様の中には、一部、参画の機会が不十分であるといった御意見も頂いております。今後、対象案件に合わせ、適切な参画手法の選択と適切な実施時期に行うこと、市民からの意見聴取については、パブリックコメントだけでなく、できるだけ関係機関、関係団体などとの意見交換も行うこと、審議会などの女性比率を高めることなどをより一層進めてまいりたいと考えております。また、実施の方法につきましても、自宅やサテライト会場において審議会への参加や傍聴ができるよう、オンラインなどデジタル技術を取り入れたり、障害のある方、LGBTQ+の当事者の方からも意見を頂きやすい工夫を検討してまいりたいと考えます。また、そういったことを議論頂くのが市民参画推進会議の役割であると改めて考えており、令和4年度に推進会議を開催し、しっかりと社会情勢や時代の変化に沿った市民参画を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。

○議員(丸谷聡子)

2項目めの市民参画の推進については、市民参画推進会議を令和4年度にやっていただけるということでしたので、来年度、できるだけ早い時期にお願いしたいと思います。