大久保北部の里山の自然を生かした有効活用について

令和3年第2回定例会12月議会(12月8日(水)) 質問4項目め

○議員(丸谷聡子)

4項目め、大久保北部の里山の自然を生かした有効活用について。

大久保北部の遊休地については、生物多様性の拠点として里山の自然を守るための利活用をしてほしいと、特に子育て世代の市民から多くの声をお聞きしており、本年7月には、275筆の署名を添えて大久保北部の里山の自然を守ってくださいという要望書を市長にお渡しされています。私も今こそSDGs未来都市として、新しい発想で、かけがえのない里山の自然を生かし、持続可能なまちづくりの象徴として有効活用していくべきであると考えます。そこで、自然環境調査を実施する1年余りの間に、高丘小中一貫教育校をはじめとする市内の学校園の環境学習・SDGs教育・森のようちえんなどのフィールドとしての活用や、市民提案型のネイチャープログラムやワークショップなど、里山の自然や生態系を生かしたモデル事業を実施してはどうでしょうか。既に私のところには、市民の皆さんから、大久保北部の里山を使えるなら、こんなことがしたい、あんなことがしたいという提案がどんどん届いています。その一例を紹介すると、自然の不思議を体感するネイチャーツアーや、竹や自然素材を使ったクラフト、基地づくり、ロープワーク、ネイチャーゲーム、企業研修にも使える冒険プログラム、子育て世代のお父さん対象のブッシュクラフト、草木染のワークショップ、山菜探し、防災教育要素を取り入れたデイキャンプ、仲間づくりの場としての活用、ツリーハウスづくり、野外クッキング、森の音楽祭など、わくわくするような楽しい企画がたくさん出ています。幸い旧キャンプ場の辺りは、少し下草刈りをすれば活動の拠点として十分使用できると思いますので、里山整備をするワークショップなども組み合わせて市民とともに整備し、市民提案型の体験プログラムなどを積極的に実施してはどうでしょうか。ぜひとも、市民の力を借りて、SDGsを柱とする明石らしい、コロナ後の社会にふさわしい有効活用の方策を見える化し、新しい観光資源としての価値なども加えて、方向性を定めていくべきだと考えますが、市の見解を問います。

○政策局長(横田秀示)

政策局長でございます。

私からは、御質問の1項目め、工場緑地面積率に係る条例制定について、及び4項目めの大久保北部の里山を生かした有効活用について、順次お答えいたします。

最初に、御質問の1項目め、工場緑地面積率に係る条例制定について・・・(略)

続きまして、御質問の4項目め、大久保北部の里山の自然を生かした有効活用についてお答えいたします。

本市といたしましては、過去に巨額の市費を投じて取得した広大な大久保北部遊休地の利活用に当たっては、スポット的なものではなく、エリア全体について、市民の貴重な財産として、将来にわたり有効活用ができるよう検討してまいりたいと考えております。なお、検討に当たりましては、課題として市所有地の区域内に民有地が点在していること、自然環境との調和や生態系への配慮が必要であること、埋蔵文化財の調査が必要であること、そして、スマートインターチェンジの設置も含め地域のにぎわいや活性化の方策の検討が必要であることなどがございます。こうした課題がある中、まずは環境調査に向けて、遊休地及びその周辺の民有地を対象に利活用が見込まれる範囲を幅広く設定し、周辺民有地の所有者約90名の方々への環境調査の協力依頼や、所有されている土地の利活用について御意見等を伺っているところでございます。なお、遊休地及び立入りに承諾頂いた民有地につきましては、順次、樹木の種類等の調査を実施しておりますが、自然環境調査全体につきましては、今後、1年程度を予定しております。

かつて、当該地域には市民農園やキャンプ場を設置しておりましたが、廃止から8年程度が経過し、現在では草木が生い茂り、施設も著しく老朽化しております。また、イノシシやヘビなどの野生動物が生息し、崖や窪地など危険な場所もあることから、安全管理上、一部に看板やチェーン・フェンスを施すなど、一般市民の立入りを原則禁止しているところでございます。加えて、遊休地内の道は狭く、事件や事故が発生した際には、緊急車両の進入が困難な場所となっております。一方、過去には遊休地への立入りをボーイスカウト活動などに対して承諾してきた経緯がございます。

こうした状況の中、議員からの自然環境調査を行う1年間限定で里山の自然を生かしたモデル事業を実施する提案につきましては、先ほど申し上げた安全管理上の問題がある中であり、また、実施主体や活動内容等の調整も必要となってまいりますが、議員の御意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願いいたします。