明石市の高齢者学習の在り方について

令和4年第1回定例会3月議会(3月3日(木)) 質問3項目め

○議員(丸谷聡子)

3項目めは、明石市の高齢者学習の在り方について、2点質問いたします。

1点目、令和4年度からあかねが丘学園の学習形態を変更する理由についてお聞きします。

2点目、あかねが丘学園は高齢者学習の拠点として、地域社会活動の指導者養成という目的がありましたが、今後は、地域活動の指導者的な高齢者が育たないのではないかとの懸念や、各中学校コミセンで開催されている高齢者大学の学習形態も変わり、地域内でのつながりが希薄になったとの市民の声をお聞きしています。今後どのように進めていこうとしているのか、高齢者学習の在り方について、見解を問います。

○市民協働・生活部長(岩﨑充臣)

市民協働・生活部長でございます。

御質問第3項目め、明石市の高齢者学習の在り方についての2点について、併せてお答えいたします。

本市の高齢者学習は、昭和47年のコミセン高齢者大学の開設に始まり、昭和56年にはあかねが丘学園を開設し、以後、高齢者の学びの場を提供してまいりました。あかねが丘学園は、生きがいの創造とともに、様々な地域活動に参加して、人とのつながりを広げ、より豊かな人生を送ろうとする人の支援を目的に、現在は5つの専攻コースに分かれ3年制で運営されております。学生は学年ごとの共通講座とコースごとの専門講座に分かれ学習を行い、卒業後はグループで地域活動を行っていくことを前提に取り組んでまいりました。学園の開設当初、定年後は余暇時間も多く、高齢者のニーズにかなったものでしたが、その後、少子高齢化が進展しまして、高齢者は仕事や社会活動の担い手として期待されるようになり、高齢者のライフスタイルが多様化するにつれ、平日昼間の同じ時間に集合し、卒業後は必ず地域活動を行うという学習形態になじまない方も増え、学生数も年々減少してまいりました。このため、現代のニーズに合った学習形態について数年前から検討を進めていたところ、折しもコロナ禍のため休校が続き、長期間学習活動ができない状況となりました。学習を再開するに当たり、コロナ禍でも実施できるよう感染対策やオンライン授業を導入することとなり、それまでの大教室での集合学習という形ができないため、カリキュラムそのものの抜本的な見直しが急遽必要となり、令和3年度から新たな学習形態に移行することとなりました。

まず、学年ごとの共通講座を少人数で行うために、中学校コミセンに分かれてオンラインで行うこととしました。あわせて、コミセン高齢者大学も少人数で行う必要があったため、この2つを合わせて、あかねカレッジライトコースを創設いたしました。それまで、中学校コミセンごとに開設されていた高齢者大学は1年間同じメンバーによる学級運営となっており、受講者にとってはお互い仲よくなれる一方で、毎年受講者が固定化する傾向にあり、定員オーバーで入学できない、同じ曜日・時間では参加できないといった声も多く寄せられておりました。そこでライトコースでは、入学定員をなくし、全ての中学校コミセンで開催される年間約300講座から受講者の好みや予定に合わせて受講でき、一部、オンライン受講も可能とするなど、多様なライフスタイルに合わせた学習ができるようにしております。現在、900名を超える市民がライトコースの学生となっており、そのうち、4割程度の方が、これまでコミセン高齢者大学を受講していなかった方であることから、一定の評価を頂けたものと考えております。また、講座の中には、他の受講生との意見交換を通して学びを深め、交流できる機会も設けており、今後さらに、まちづくり団体やボランティア団体などと連携して、地域における世代間交流などを促していきたいと考えております。

次に、あかねが丘学園の専攻コースにつきましては、現在3年間で1つの専門課程としているものを、令和4年度から科目を細分化した1年制のあかねカレッジ科目別コースへと移行してまいります。科目数は令和4年度は5科目、令和5年度は10科目に増やしてまいります。最大3年まで違う科目を受講することができます。さらに、令和5年度からは、地域de活用コースを開設し、地域活動を行いたい人が、これまでのキャリアや科目別コースで習得した専門性を地域で生かせるよう、実践を交えた学習カリキュラムを展開してまいります。また、令和4年2月に、あかねカレッジコーディネートセンターを開設し、学びやサークル活動など、高齢者の生涯学習に関する相談業務や地域活動を行おうとする高齢者のコーディネートを行っております。今後、地域活動の指導者的な高齢者が育たないのではないかという懸念につきましては、この地域de活用コースやコーディネートセンターでしっかりと対応できるものと考えております。また、コミセンにおけるつながりが希薄になるのではないかという点につきましても、学生同士の交流を図る取組をしっかりと行ってまいりたいと考えております。なお、今後は明石市の高齢者学習全般をあかねカレッジと総称しまして、その下にライトコース、科目別コース、地域de活用コースが位置づく学習体系となってまいります。今後とも、学びの裾野を広げつつ、様々なニーズに応じた高齢者学習を展開してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願いいたします。