県立明石公園のかけがえのない自然を未来につないでいくために

令和4年第1回定例会3月議会(3月3日(木)) 質問4項目め

○議員(丸谷聡子)

4項目め、県立明石公園のかけがえのない自然を未来につないでいくために、2点質問いたします。

1点目、昨年12月議会において市長から、過剰な樹木伐採については年明けに県知事に協議を申入れ、連携していきたいとの答弁がありましたが、現状についてお聞きします。

2点目、今後の取組について。先日、造園の専門家と明石公園の石垣を調査しました。私は長年、明石公園で自然観察をしてきましたが、最近、石垣が白っぽくなり、一部黄土色に変色していることがとても気になっていました。専門家の方から、水を循環させる大事な樹木を伐採したために乾燥が進んだ結果とお聞きして、その疑問が解けました。樹木を伐採すると半年もたたないうちに石垣の乾燥が始まり、砂が流れ出し、込石がぼろぼろと落ちてくるようになる。石垣保護のための伐採は間違いだったと聞き、愕然としました。これは兵庫県が示している伐採の根拠とは真逆の考え方ですが、現実に石垣の下には瓦や詰石が落ち始めており、明らかに目に見えた変化が現れています。そこで、木と石垣の関係を分かりやすくお伝えするために、議長の許可を頂き、3枚の絵を用意しました。

400年前はコンクリートや接着剤もなく、先人たちは自然の力を利用して石垣を何世代先にも残せるような造作を行ってきました。この絵のように、石積みの後ろの石や瓦の間にわらや枝を敷き込んで、そして有機物をこうして挟み込むことで、空気と水が通りやすく、菌がわきやすい空間ができ、石垣の上では深くまで根が伸びるタブノキやカシノキなどが生えやすい環境になっていました。これがちょうどサンドイッチのように、わらや枝が入っているという石垣の裏側の絵です。そして、木が育つと、根っこが土の中の枝やわらが分解したところに伸び、さらに石に張りつくように伸びて、根っこと石垣ががっちり組んで強固になります。石は木があることでしっとりと水を含み、木は石からミネラル分を供給されて大木に育ち、大雨でも過度な土圧が生じない安定した石垣になります。この間に根っこが入り込んでいます。50年から100年しかもたないコンクリートなどの現代建築と違い、何百年ももつように伝統的な技法で造られているということです。そして、木は根を伸ばすことで地中深くまで空気と水を循環させ、ミネラル分をたっぷり含んだ水は、お濠、池、川、そして海へと流れていきます。明石の豊かな海と明石公園の樹木は地下でつながっています。明石公園の樹木は石垣を壊すどころか、石垣と明石の豊かな海を守ってくれています。そんな大事な樹木がたくさん切られてしまいました。私は、こうした目に見えない土の中、水の流れを考えずに、取り返しのつかないことをしてしまったと思っていますが、嘆いてばかりはいられません。間違いに気づいたからには、次の課題に立ち向かいたい、立ち向かわなければならないと思っています。

そこで、明石市としてどのような取組ができるのか、市が音頭をとって早急に、植物、昆虫、野鳥、環境教育、石垣などの専門家や行政、市民と共に、明石公園の自然を生かした未来を考える協議会を設置し、伐採計画を見直すとともに、石垣保護のために樹木を復活する手だてをしなければならないと思いますが、見解を問います。

以上です。

○市長(泉 房穂)

私のほうからは、丸谷議員御質問4項目め、いわゆる明石公園に関するテーマにつきまして答弁申し上げます。

もう既に一定程度答弁も、他の議員に対してしておりますけれども、明石公園については幅広いテーマがあります。樹木の伐採の問題もですし、最近ではボート料金の値上げ、それこそ、こどもの村の遊具の設置の在り方、さらには県立図書館や市立図書館跡地の問題、さらに加えて既に御質問頂きましたが、明石公園の管理の在り方をどうしていくかなど、多方面なテーマがあろうかと思います。12月議会で御質問頂いた後も、多くの市民から、とりわけ樹木の伐採につきましては、私も明石駅前を歩いていますと、やたら市長さん、やり過ぎ、切り過ぎと言われまして、多くの市民の皆さん、明石公園は明石市がやっていると思っている方が多くて、市長さんが木をいっぱい切り過ぎているという認識の方が大変多くて、本当にそういう意味では、市民の中にも樹木の伐採に関して心を痛めている方が一定数いることは認識しております。もっとも、すっきりしたという方もおられますから、まさに人によって意見様々だなと受け止めております。

私としては、樹木伐採の専門家ではありませんので、正直なところ、何が正しい答えかについては正直分かりません。ただ、市民の中で、さすがにちょっと切り過ぎではないかとか、これ以上切らなくてもいいのではないかという声がある以上、しっかりと説明責任を果たすことが必要だと考えている立場であります。この間、1月にも私のところにそういった市民の方々が要望書をお持ち頂きまして、市長としてもしっかり県に働きかけてもらいたいということでありました。それを受けまして、2月にはそれらの方々と御一緒に、署名を携えて行かれましたので、私も同行した経緯がございます。そういった中で、県のほうも大分、スタンスは変わってきております。実際上は、2月中にでも、もっと伐採をということを当初言っておられましたが、2月、3月の伐採は延期ということを県が決められましたので、それこそ2月、3月は伐採がないという状況です。ただ、県としては、4月以降、改めて伐採を再開したいというお考えのようではありますが、ここも最近になりまして県の言い方も変わってきておりまして、市民・県民への説明責任とか、しっかり説明した上でというふうに言い方も変わってきておりますので、引き続きしっかりと御相談を申し上げていきたいと思っております。

そういった中で、私としては、やっぱり大きなテーマでありますので、明石公園に関しては、まず、庁内でしっかりとした検討チームのような形で、しっかりと論点整理をしていく必要があろうかと思っております。また、県に対しましても、御一緒にやるべきテーマは大変多いので、いわゆる協議会のような形で、明石公園に関する協議会のような形で、ある意味、しっかりと話合いのパイプ、話合いの場を設定していく必要があるかなと思っております。とりわけ、例えば県立図書館の問題などは、兵庫県の教育委員会なので、教育委員会の方が入らないと図書館の議論をしても会話になりませんので。市役所のほうもいろいろ所管がまたがっておりますので、やっぱりそれぞれの所管ごとがありますので、ちゃんとした論点整理をしていって、やっぱり解決できるテーマも数多くあると私は思っています。例えば、一例を挙げますが、ボート料金につきましては、県のいわゆる協会のほうと御相談した上で、明石市が今回の値上げ分を持つ形で調整した結果、一応合意に至っておりますので、ちゃんと話合いをすれば、一定程度できることもあろうかと思っておりますので、しっかりと対応していきたいと考えております。

以上でございます。

○議員(丸谷聡子)

4点目の明石公園のほうに移らせていただきますけれども、市長のほうから庁内での検討チーム、それから協議会をつくっていく必要があるというような御答弁頂きました。本当に私もそのとおりだと思っています。先ほど、前でお伝えした石垣の絵ですけど、私も石垣の専門家の方にああやって説明してもらわないと、そして実際に現場に行って見ないと分からなかったんです。そういうことがたくさんあると思うんです。でも、そういうことをきっちり皆さんと話し合って、情報を共有するというのはすごく大事だと思いますので、検討チームは庁内だけとか県と市の行政だけではなく、私申し上げたように、様々な分野の専門家の方であるとか、市民の方にも入っていただきたいと思いますけれども、その辺り、どういった協議会をつくろうとされているのか、再度お聞きしたいと思います。

○市長(泉 房穂)

改めての質問でありますが、まず、庁内、市役所内においては、やっぱり論点整理する必要を強く感じております。とりわけ、もし明石公園を県立から市立にした場合、やり方はいろいろあると思いますけど、かなりコストがかかろうかと思うんです。一体どれぐらいお金が必要で、どういった維持管理費、またその後の展開ですね、それこそ、それぞれ野球場や陸上競技場もありますから、その改修とかバージョンアップまで視野に入ってくると、一定かなり大きな話になりますので、まずは論点整理を庁内でやる必要はあると思っております。

続いて、各種問題については、兵庫県と県の外郭団体と市と、あとは関わりのある関係の機関とか市民も交えた形が望ましいと思っております。別に県もいろいろ対応をやっておられまして、奥のこどもの村の遊具についても、インクルーシブ遊具を設置の方向で明石市内の各種団体ともヒアリングをなさったりしておられますので、現に県のほうも丁寧にやっておられる面はあろうかと思います。ただ、その辺りの情報共有化をもっとしっかりしていったほうが、なお方向づけしやすいと思いますので、幅広く県と市と関係する市民を交えた形での何か整理の仕方が、私はいいのではないかと思っておりますが、これも県に打診して、一定程度、明石公園に関する協議会なるものをつくりませんかという中で、すり合わせをしていきたいと考えております。

以上でございます。