明石市コミュニティバス(たこバス)について

令和元年第2回定例会12月議会(12月5日(木)) 質問2項目め

○議員(丸谷聡子)

2項目めは、明石市コミュニティバス(たこバス)についてです。

このたび西江井ヶ島ルートにおいて運行事業者である山陽バスが撤退するなど、たこバスの存続が心配される事態が発生しました。市長は、東部地域へのルート拡大を検討していくと言われていたと思いますが、これではルート拡大どころか従来から運行しているたこバスを存続させるだけで精いっぱいではないでしょうか。本来、コミュニティバスというものは、公共交通の空白地を埋めることや交通弱者のための福祉施策的な意味合いの強いものであると考えますから、市として持続可能な事業にしていく責務があると思います。そのことから以下の2点について質問をいたします。

1点目は、コミュニティバス(たこバス)の現状について。11月20日に開催された明石市地域公共交通会議において、西江井ヶ島ルートは明正キャブが引き継ぐことで承認されました。しかし、ほかのルートは大丈夫なのでしょうか。コミュニティバス事業は持続可能な状況になっているのか、市の見解を問います。

2点目は、コミュニティバス(たこバス)の今後のあり方について。高齢化が進む中、コミュニティバスがさらに重要な役割を担うことになると考えますが、社会の変化に応じた人件費等の見直しや事業計画の改善等が必要ではないでしょうか。今後のあり方について市の見解を問います。

○都市局長(東 俊夫)

都市局長でございます。

私のほうからは、第2項目め、明石市コミュニティバス(たこバス)についての1点目と2点目の質問に、合わせてお答えを申し上げます。

コミュニティバス、いわゆるたこバスにつきましては、西明石以西の路線バスが運行していない交通不便地域におきまして、平成16年度から2路線の社会実験運行を皮切りに、平成19年度には新たな交通事業者を公募し、たこバスミニの導入などの路線拡大を行い、現在15路線で運行しております。利用者数につきましては、平成20年度では年間約72万人でございましたが、平成30年度は約112万人まで増加しており、本年度につきましては、寿優待制度の拡大もありまして、さらに利用者数が増加をしております。運賃収入につきましても、平成21年度の年間約6,100万円から、平成30年度は約7,700万円と増加しており、運行開始から10年以上を経て、生活になくてはならない市民の足として日々活躍しているところでございます。

一方で、平成16年の社会実験運行時から運行を行っておりました山陽バスにおきましては、昨今の人件費の高騰や車両の回送費など経費の負担増の影響もありまして、昨年、平成30年9月に、これ以上の運行継続が困難との申し入れがあり、路線維持に向け、山陽バスはもちろんのこと、他のたこバス運行事業者とも協議を重ね、本年4月1日からは運行していた5路線のうち4路線を他の事業者に引き継いだところでございます。本年度は、残る1路線である西江井ヶ島ルートにつきましても厳しい状況は変わっていないとのことで、本年度を最後にたこバス事業から撤退したいとの申し入れが9月にあり、西江井ヶ島ルートにつきましても来年4月1日より運行事業者を変更する予定でございます。

たこバス事業につきましては、設定した運行経費から運賃収入を差し引いた赤字部分を市が補填することによりまして運行を維持しております。ただ、運行経費につきましては、平成19年度の運行事業者公募の際に事業者から提案のあった経費を基準として算定しており、昨今はドライバー不足による人件費の高騰が続いていることから、山陽バス以外の交通事業者におきましても、今後の運行継続における課題となっている状況でございます。本年度から実施をしております寿優待制度の拡大により、利用者数が大きく増加している状況も踏まえますと、たこバス事業は、議員のおっしゃるとおり単なる交通政策としてだけではなく、高齢者の外出促進、社会参加、健康増進などといった側面への重要性も高まっているところでございます。これまでたこバス事業は運行補助金として市民の貴重な税金を投入していることから、補助額をできるだけ抑制することを最優先に運行してまいりましたが、昨今のバス事業を取り巻く状況や市民のニーズなどを踏まえると、今後も長期的に安定した路線維持が必要であり、運行経費の考え方など社会情勢に応じた事業スキームを確立することが重要であると考えております。今後は安定した路線維持とあわせまして、ルートの見直しや拡充などといった利便性の向上についても検討し、高齢者のみならず誰もが乗りやすく、引き続き市民に長く愛される交通手段となるよう取り組んでまいりたいと考えております。どうぞよろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

○議員(丸谷聡子)

2項目めのコミュニティバスですけれども、これは市長にお伺いしたいんですが、先ほどのご答弁だと、赤字を市が補填するというような考え方だったと思うんですが、やっぱりある意味、福祉施策の要素が強いものだと、今としては高齢者の方もたくさん利用されてますし、赤ちゃんを連れたお母さんたちも利用されていますので、ぜひそういう意味では経費の考え方を少し変えていただいて、しっかりここに予算をつけていくというような方向性が、スキームの変更も含めて必要じゃないかなと思うんです。しかも平成19年から経費の基準が全然変わってないということで、3年とか5年のスパンでこういうことも見直しが必要じゃないかなと思うんですけど、そのあたり、市長のご見解をお聞かせいただきたいと思います。

○都市局長(東 俊夫)

都市局長でございます。

たこバスにつきましての再度のご質問にお答え申し上げます。先ほども申し上げましたように、やはりたこバスにつきましては、事業存続が大変重要なことであると考えております。ただ、先ほども申し上げましたように、補助金というものは、市民の貴重な税金でございます。それとやはり地域からご要望の多いサービスの向上、拡大といったところもありますので、そのあたりのバランスをしっかり考えながら、事業存続に向けて努めてまいりたいと思います。

以上でございます。

○市長(泉 房穂)

たこバスについても大変市民の関心の高いテーマだと思いますので、私のほうからも。これはもう議員のほうからご紹介いただきましたように、私としては、市民の足であるコミュニティバスを充実化させていきたいという方向では考えております。特に今、病院の行き来であるとか、買い物の問題などもございますので、できるだけそういった寄り添うようなことも含めて、コミュニティ交通を位置づけていくのは重要だと、そのように考えております。

もっとも、ご質問のように採算の問題がございまして、明石市自体が運営しているわけではなくて委託をしてお願いをしている状況でございますので、採算がどの程度合うか合わないかという悩ましいテーマがございます。このあたりをしっかり見ていかないと、ルートの拡充とか本数をふやすとかいうときに、すぐにそれがお金にはね返ってまいりますので、そのあたり、しっかりと財政的なこともしっかりと踏まえながら、充実化に向けて検討していきたいと思っております。

以上でございます。

○議員(丸谷聡子)

あり余るお金ではないので、そういう配分は大事だと思いますけれども、バランスといえば、やっぱりこういった地域公共交通というのは、すごく大事な要素だと思いますので、ここに予算を入れていくというのは大事だと思いますし、運行業者さんが手を挙げてくださらなければ、実際には運行できないわけですから、そういったこともしっかり意見を聞きながら、新しいスキームをやっぱりちょっとつくっていただきたいなというふうに思いますので、ここは意見として申し上げておきたいと思います。