放課後児童クラブの運営体制強化について

令和2年第1回定例会3月議会(2月27日(木)) 質問2項目め

○議員(丸谷聡子)

2項目めは、放課後児童クラブの運営体制強化についてです。

放課後児童クラブの運営体制強化を目的に、2020年4月1日から市内27小学校の運営の委託先が、一般財団法人あかしこども財団に変わるとお聞きしています。子どもたちが安心して放課後の時間を過ごすための環境づくりが必要であることから、以下の4点について質問いたします。

1点目、放課後児童クラブの委託先が一般財団法人あかしこども財団に変更されることによって、体制がどのように強化されるのでしょうか。体制は整っているのでしょうか、見解を問います。

2点目、放課後児童支援員(指導員)が誇りを持って働ける環境をつくるためには、処遇改善や主任制度の充実、外部からの指導員アドバイザー導入など、新たな発想での仕組みづくりが必要であると考えますが、見解を問います。

3点目、2020年度の受入態勢は整っているのでしょうか。また、支援が必要な子どもの受入れについてどのような対応をしているのか。インクルーシブな環境になっているのか、見解を問います。

4点目は、県で実施している放課後児童支援員の認定資格研修を、来年度から本市で実施すると計画されていますが、それにより支援の質をどのように向上させることができるのでしょうか。あわせて市独自の研修の充実も必要だと考えますが、見解を問います。

○こども企画部長(大津昭夫)

こども企画部長でございます。

私からは、ご質問第2項目めの放課後児童クラブの運営体制強化について、順次お答えいたします。

1点目の、委託先の変更についてでございますが、本市の放課後児童クラブの運営につきましては、本年4月から一般財団法人あかしこども財団に委託先を変更いたします。あかしこども財団は、子どもの支援を主目的とした団体であり、安定的な組織運営の下、市、地域、子ども支援に関わる関係機関との連携強化、及びより一層の人材育成や質の向上が期待できると考えております。運営体制につきましては、あかしこども財団内に放課後児童クラブ担当ラインを設置し、現運営委員会の事務局体制に比べ人員体制をより強化する方向で調整しており、これまで以上に市と連携しながら、高まるニーズに対する安定的な育成支援の提供や育成内容の充実に努めてまいります。

次に、2点目の放課後児童支援員確保と支援体制の充実についてでございますが、支援員の確保は、場所の確保とともに最重要課題であります。支援員を長期的に安定して確保するため、小学校の6年間という幅広く変化の激しい成長過程において、一人一人の子どもの違いに寄り添いながら育成を支援する専門職としての役割を理解し、その誇りとやりがいを持って働いていただくよう、研修を充実してまいります。また、処遇改善を行い、働きやすい環境を整えるため、令和2年度の予算案におきましては、常勤職員、パート職員など、全ての職員の給与を改善するための経費を計上させていただいております。そのほか、支援員から主任支援員になるなどのキャリアアップの仕組みや、公募によるアドバイザーの募集などの外部の視点の取り入れにも引き続き取り組んでまいります。今後も働きやすい環境の整備を進め、さらなる支援員の確保に努めてまいります。

続きまして、3点目の受け入れ態勢についてでございます。本市の放課後児童クラブにおきましては、保育所同様、利用者の数は年々増加しておりますが、待機児童を発生させることなく受入れを行っております。来年度につきましても、引き続き施設と支援員を確保し、希望する子どもを全て受け入れられる態勢を整えているところでございます。また、支援が必要な子どもにつきましては、現在63人の受入れを行っており、24人の支援員を加配して育成支援に当たっているところです。支援員に対して障害に対する理解を深める研修を実施するほか、臨床発達心理士や作業療法士といった専門家の訪問によるアドバイスを受けられる態勢を整えるとともに、保護者や学校などと連携し、障害などの状況を十分に把握し、生活をする上で適切な配慮や環境整備を行った上で、子どもたちみんなが一緒に生活する中で、共に学び、成長し、楽しさを共有できるよう育成支援を行っているところです。

最後に、4点目の放課後児童支援員の研修の充実についてでございますが、今般、厚生労働省令の改正が見込まれ、都道府県、指定都市に加えて、中核市においても放課後児童支援員認定資格研修の実施が可能となる予定でございます。認定資格研修は、放課後児童クラブに従事する放課後児童支援員となるための唯一の道であり、その受講機会の確保は、今後、より多くの支援員が必要となる本市にとって喫緊の課題であることから、来年度から認定資格研修を実施し、受講機会の拡大を図っていきたいと考えております。本市で実施するに当たりましては、土日や午前中など受講しやすい日程を設定するなどの工夫をしてまいります。また、受講対象者を拡大し、新規人材の掘り起こしや職員の資質向上を図ってまいります。具体的には、保育士や教員養成校の生徒で、卒業と同時にそれらの資格を有する見込みの者も受講できることとし、修了者は、本市では一定の資質を備えた者として処遇することといたします。また、保育士や教員等の基礎資格を持たない補助支援員も受講できることとし、補助支援員への資質向上のための研修としても活用を図ってまいります。加えて、安定的な人材確保のための周知として、広報あかし等の媒体を通して支援員の仕事の魅力と併せて認定資格研修の受講をPRしていくとともに、新たに保育士や教員養成校の生徒に対しても強力にPRしてまいります。そのほか、職員の資質向上のための、いわゆる現任研修につきましても、経験年数別研修など様々な研修を年間10回程度実施しております。テーマについては、虐待防止や障害への理解、人権感覚の醸成など、支援員の資質向上につながる内容となっており、今年度からは地区ブロック別の研修を実施するなど充実を図っています。今後も時勢に応じたテーマを取り入れるとともに、外部の研修への積極的な参加を促すなど、支援員の質の向上に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

○議員(丸谷聡子)

ご答弁いただきましたので、再質問させていただきたいと思います。

2項目め、放課後児童クラブの運営体制強化についてですけれども、私も運営主体は任意団体でないほうがいいというのはずっと申し上げてきて、できれば直営ですべきだということも何度も申し上げてきたんですけれども、今回、本市が設立した財団が委託先になるということは、一定よかったなと思っています。様々キャリアアップであるとか、今後、資質向上のために給与がアップされたりとか、処遇改善も計画されていますけれども、今後、例えば若い男性の指導員さんが入ってこられたときに、結婚を機に、今までは収入の課題から辞職されるようなケースもありましたけれども、今後、財団の正規職員と同じように給与や待遇の水準が上がっていくような、一生の仕事とできるような可能性があると思っていいのでしょうか、市長にお聞きしたいと思います。

○こども企画部長(大津昭夫)

こども企画部長でございます。

職員のさらなる給与アップやさらなる処遇改善の観点で、私からお答えいたします。

職員のやりがいの向上や職場環境改善のためには、給与に限らず様々な処遇の改善の余地があろうかと思いますので、令和2年度予算案に計上させていただいております給与増の処遇改善案に加えて、引き続きどのような処遇改善が効果的か研究してまいりたいと考えております。

○市長(泉 房穂)

いわゆる放課後児童クラブ、これからの明石市にとっても大変重要であり、まさに厚労省から大津部長にお越しいただいて、国の応援もいただきながら進めております。ポイントは、やっぱり子どもたちに寄り添う資質ある学童指導員をどのように確保し、育成していくかだと思いますので、そのためには待遇改善も大きいと思いますので、しっかり取り組んでいきたいと思っております。

○議員(丸谷聡子)

宝塚市なんかは、市の職員、正規職員の7割の給与が保障されているような処遇だというふうにお聞きしていますので、ぜひ明石市も、財団の正規職員ということで、そういった給与体系をしっかりつくっていただきたいということを意見として申し上げたいと思います。