安心して生きる力を育める子どもの居場所について

令和2年第1回定例会3月議会(2月27日(木)) 質問3項目め

○議員(丸谷聡子)

3項目めは、安心して生きる力を育める子どもの居場所についてです。

この課題につきましては、これまでも何度も質問をしてきました。本市には、子どもの多様な学びを保障する学校外での公的な居場所がありません。教育機会確保法の理念に沿った安心して過ごせる居場所、学校ではない第3の居場所づくりが急務であることから、以下の2点について質問いたします。

1点目は、多様な学びを保障する子どもの居場所について。自治体の役割として、多様な学びを保障し安心して生きる力を育むことができる公的な子どもの居場所が必要だと考えますが、市の見解を問います。

2点目は、身近な自然を体感できる子どもの居場所についてです。かつては、当たり前にあった子どもの日常の遊び場といえば、地域の広場、田畑、海、川やため池などでした。そこには仲間がいて、身近な自然の中で自分たちのルールを学びながら、多様な人たちとの関わりの中で生きる力を身につけてきました。それが今では、海や川、ため池は子どもたちだけでは行ってはいけない場所になり、身近な自然と子どもの遊び場が分断されています。そこで、川崎市子ども夢パークのような、子どもたちが明石の豊かな自然を体感しながら生きる力を育める公的な居場所、遊び場が必要であると考えますが、市の見解を問います。

○こども局長(佐野洋子)

こども局長でございます。

ご質問の第3項目め、安心して生きる力を育める子どもの居場所について、1点目と2点目につきまして、合わせてお答えをいたします。

平成29年2月に教育機会確保法が施行され、文部科学省の基本指針においては、学校以外の多様で適切な学習活動の重要性が明記されました。さらに、昨年10月に文部科学省から発出された不登校児童生徒への支援の在り方についてという通知においては、フリースクールなどの民間施設や自宅でのICT等を活用した学習活動が、不登校児童生徒に対する多様な教育機会として明記されておりますとともに、体験活動について、子どもたちの積極的態度の醸成や自己肯定感の向上等が期待できる青少年教育施設等での体験活動プログラムを積極的に活用することが有効とされております。これらに基づき、教育委員会においても、児童生徒に寄り添いつつ、様々な支援に当たっていると認識しております。こども局といたしましても、不登校児童生徒に関わらず、どのような事情を抱えていても、全ての子どもはそれぞれの生活の場で人や物と関わりながら、遊びや学習、休息や団らん、文化的・社会的な体験を得ながら成長していけるよう多様な居場所が必要であり、それぞれの居場所において特定の支援が必要な子どもに気づいた場合には、具体的な支援につなげるよう関係機関との連携体制が重要と考えております。

そのため、地域の子どもが立ち寄りやすい場や相談支援などの取組として、地域のボランティアによるこども食堂や、こども夢文庫の運営及び学習支援などの取組に対する助成支援のほか、明石駅前のあかしこども広場の設置など、様々な取組を行うとともに、これらは支援が必要な子どもの気づきの場所とも位置づけております。また、昨年4月に児童相談所であるこどもセンターを設置し、多くの相談を受け付けている中で、不登校の相談も現在までに24件ございます。詳細はお伝えできませんが、その背景は様々あり、個別に対応する中で、子どもたちの学校外での多様な居場所の設置をはじめ、個々の子どもの状況に応じた支援を、公的にもしっかりと行っていく必要があると考えております。

議員からは、身近な自然を体感できる子どもの居場所として、川崎市の子ども夢パークの取組が例として挙げられましたが、市に適切な場所があるのか、どのような運営が必要か、教育機会確保法の市民への周知をどのようにするのか、当事者である子どもの意見を反映させるにはどうするかなどの課題について、今後、検討してまいります。また、学校に行きづらい子どもたちも含め、多様な学びの一環として、あかしこども広場のユーススペースを活用し、平日にもギター教室などを開催する中で居場所となるよう工夫をしてまいります。市としましては、明石市や近隣で、子どもの居場所や遊び場の設定、学校に行きづらい子どもに対する相談、学習支援などに取り組まれている関係者の方々から、どのような支援が必要かお話を伺うとともに、子ども一人一人が安心して成長できる居場所の確保について、教育委員会等と連携し、前向きに検討してまいります。ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

○議員(丸谷聡子)

次、3項目め、安心して生きる力を育める子どもの居場所について、再質問させていただきます。市長にお聞きしたいんですけれども、先日、フリースクール関係の講演会で、ぜひこういった取組は見える化していかなければならないとか、市長になって9年目でまだ手つかずの状況でじくじたる思いがあるテーマでしっかりやるというようなことをおっしゃられて、そこにおられる皆さん、本当に市長が同じ方向を向いてくださっていることに感激されていたんですけれども、今日は前向きなそういうご答弁もいただきましたので進んでいくのかなと思いますが、疲れた子どもも自然の中に入るとすごく元気になるんですね。そういう生きる力を育むという場所という意味では、建物の一室ではなくて、例えば明石であれば少年自然の家のような、子どもが安心して運動できたり、身近な自然の中で遊んだりできるような居場所がいいのではないかと思いました。そのあたりのことも含めて、市長のお考えを聞かせていただきたいと思います。

○市長(泉 房穂)

議員からも、また他の議員からも何度もご質問いただいているテーマであり、大変重要なテーマかと思います。文部科学省のほうも大きな方針転換もありまして、いわゆる不登校の認識も大きく転換いただいておりますので、子どもの学びの場、そして自然も含めて多様な居場所づくりというものは大事だと思っています。まさに、鋭意検討しているところですので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

○議員(丸谷聡子)

今本当に、不登校のお子さんに限らず、やっぱり安心して自分たちらしく、子どもらしく遊べる場所は必要だと思いますので、ぜひ検討を進めていただいて、公的にしっかり行っていく必要があるということですので、ぜひそういった検討を、市の中だけでやるのではなくて、学校に行きにくい子どもたちの意見であるとか、様々な当事者の意見であるとか、それからそういう活動をしておられる方々の意見であるとかをしっかり聞きながら進めていただきたいと思います。