新幹線車両基地問題について

令和2年第1回定例会3月議会(2月27日(木)) 質問4項目め

○議員(丸谷聡子)

4項目めは、新幹線車両基地問題についてです。

この問題については、12月議会でも、昨年11月15日の神戸新聞の報道の記事から質問をさせていただきました。あれから3カ月がたとうとしていますが、市は、いまだ議会に対しても、市民に対しても、12月議会の総務常任委員会での市として全く白紙という報告と、JR西日本から示されたイメージ図以外、公表されていません。12月議会本会議で市長は、朝刊を見て私も驚きましてびっくりしました。率直なところ、明石市として車両基地が来てほしいわけではありませんし、私自身が賛成ではありません。もっとも、JR西日本としては、この間、検討を踏まえて、1つの候補地として明石を候補地にしたいというふうな話は聞いておりましたが、私としては詳細を全く聞いておりませんし、明石市としてはそれを望んでいるわけでもありませんと発言されました。しかし、私がこのたび情報公開請求をして出てきた打合せ記録によりますと、平成30年7月26日からJRとのやりとりが始まり、12月25日までJRとのやりとりは20回にわたっています。本日の神戸新聞では、40回以上とありましたが、庁内協議も含めての40回というふうに認識をしております。このJRとの20回にわたる車両基地に関する様々な検討の中で、そのうち4回は市長が同席し、うち1回は現地視察もされています。1年半も前から、JRと都市開発室との間で詳細で具体的なやりとりがなされているにもかかわらず、市長は全く詳細を聞いていないと答弁されました。一体どういうことなのでしょうか。このような計画が、市民や議会が知らない間に秘密裏に進んでいくことは許されることではありません。まずは、市民に対して、これまでのJRとのやりとりを全て公開し、明石の未来に車両基地が必要かどうかの議論から始めるべきであると考えます。

本日の神戸新聞の朝刊でこの問題が大きく取り上げられ、市民から、40回以上も打合せをして、既に決まっている話ではないのかというご意見が朝からたくさん届いています。このような市民の誤解を解くためにも、ぜひこの場で市長自らの言葉でご答弁いただき、説明責任を果たしていただきたいことを強く申し上げて、以下の6点について質問をいたします。

1点目、市民への情報公開についてです。明石市自治基本条例第21条、情報の共有における市長等の責務に基づき、JR西日本とのやりとりの全てを市民に公開すべきではないでしょうか、見解を問います。

2点目、明石市農業基本計画との整合性について。JR西日本から示された地域は、農業振興地域内の農用地であり、本市が策定した明石市農業基本計画で示されている将来像との整合性についてどのように考えているのか、見解を問います。

3点目、自然環境への影響について。JR西日本から示された地域は、まとまりのある自然を有し、絶滅危惧種も多く生育・生息し、明石における生物多様性の保全・再生の拠点と位置づけられています。また、昨年は、コウノトリが長期滞在した地域でもあります。さらに、本年2月21日には、地域の水利組合等のご尽力で、まさに候補地のすぐ南側にコウノトリの巣塔が建ちました。地域の皆さんは、この巣塔でコウノトリが子育てをする日を心待ちにされています。コウノトリ野生復帰グランドデザインによると、コウノトリが子育てをする際の縄張りは、巣塔を中心に半径2キロとされていますから、候補地は、すっぽりその範囲の中に入ります。今まで以上の配慮が必要になった自然環境や生態系への影響について、市の見解を問います。

4点目、生活環境への影響について。子育て世代の市民から、電磁波や騒音の被害など生活環境が一変するのではないかとの不安の声を多く聞いています。生活環境への影響について、市の見解を問います。

5点目、総合治水対策への影響について。大規模な車両基地ができれば、今まで農地の地下に浸透していた雨水等の流れは大きく変化することは間違いありません。また、農地やため池の持つ貯水機能の活用もできなくなります。そのため、基地ができれば、その下流地域の水のネットワークが大きな影響を受ける可能性があり、水害に見舞われる危険性も高くなります。さらには、このあたりは、古来から湧き水が豊富で、その水を使って酒づくりが行われてきた地域でもありますから、人の目には見えない水の流れが存在していることも考えなければなりません。このような総合治水対策への影響について市はどのように考えているのか、見解を問います。

6点目、SDGs未来安心都市・明石が目指す未来について。車両基地は、候補となっている地域に限定した問題ではなく、明石のまちづくりの根幹を揺るがすものであります。本市が目指すSDGs未来安心都市に車両基地は必要なのでしょうか。都市開発や人口増加に期待をかける車両基地や新駅の問題は、成長の限界を問い直し、総量規制をしていくSDGsの目指す世界とは相反します。経済優先ではなく、社会、環境の3側面から、明石のまち全体を見据え、その未来を描かなければなりません。現に、昨今、農業は農家がやるもんだという常識は変わりつつあります。東京都練馬区では、耕し続けられない農家と耕したい非農家市民とをマッチングし、生産だけにとどまらない環境保全、癒し、教育、福祉など、農の持つ多面的な恵みに力点を置き、都市の農業を守り育てる先進的な取組をしています。昨年11月29日から12月1日には、練馬区初の国際会議、世界都市農業サミットを開催し、世界都市農業サミット宣言を行っています。明石の大切な農地を、地権者が望むから、後継者がいないから手放す。しかも車両基地に。それは違うと思います。明石の農地は、農家だけが守るのではなく、明石市民全員で、市長がよく言われているオール明石で支え守ることがSDGsなのではないでしょうか。SDGs未来安心都市・明石が目指す未来について市長の見解を問います。

以上、明確なご答弁をお願いいたします。

○市長(泉 房穂)

丸谷議員ご質問のうち、いわゆる車両基地問題について、私のほうからご答弁申し上げたいと思います。

大変市民の皆様の関心も強く、市民の信頼なくしてまちづくりはないものと考えている立場として、できる限り率直にご答弁申し上げたいと思います。車両基地問題につきまして、私自身の関わりにつきましてでありますけれども、この間の経緯を改めて確認いたしましたが、私としては、1年少し前の平成30年11月20日に市長協議がなされております。私の記憶認識といたしましては、JRが車両基地の候補地の1つに明石を考えているというお話でございました。そのとき私は、基地だけではそんなんないと。ただ、まちづくり全体として話があるんであれば聞いとってくれ的な話をした記憶がございます。そのときの状況といたしましては、今日もご答弁申し上げましたが、明石市はこの間、JRに対して様々なお願いをしてきております。ホームドアの設置、西明石の活性化に向けての協議、明石駅のいわゆるあかし案内所の整備、踏切に対する対応などなど、様々明石市サイドからもJRに数多くのお願い事をしてきた経緯もございますので、JRのほうの希望につきましても、それを頭から排除することなく、協議するようにという指示をした記憶はございます。

その後、私が全く関わっていないような認識でございまして、その後、昨年の5月16日に、車両基地についての要望に担当のJRの部長さんが明石市役所に来られており、私はそのとき面談をしております。そのときの私の対応としては、こんな大きなテーマを、言葉はあれですけども、基地だけの問題ではないんだという認識でしたので、社長と会いたいと。もっと大きな話を、まちづくり全体として話をしないことにはという形でお返し申し上げました。その後、9月になりまして、JR西日本のその当時の社長ご本人が明石市役所のほうにお越しになられまして、昨年9月6日に、私、JR西日本の社長とお会いしております。そのときも、私のほうからは基地だけではないと。基地に駅がついても駄目だということを明確に社長にお伝え申し上げておるところでありまして、まちづくり全体として考えないことには、要するに議論は始まらないという形で社長にお答えしている認識でございます。

その後、協定が9月26日に締結され、その後10月10日に、私、JRの方々と市内の現地訪問をしております。このときのテーマとしては、JRサイドとしては車両基地問題がメインでございました。明石市としては西明石の活性化がメインであり、加えてJR明石駅の、いわゆる今整備している(仮称)ユニバーサルツーリズムセンターのあかし案内所の問題と、あとはJRの明石駅の東側の改札口をつけてくれということを、私はJRにお願いをする要件の中でJRとご一緒に回らせていただきました。そういった中で、いわゆる車両基地としてJRが考えておられる地域にも私も行かせていただきましたが、その後、西明石の、まさに西明石駅の南側を一緒に歩きまして、いわゆる六甲バターのところにつきまして、JRが全額買い取って、そこに改札をつけて、エレベーターをつけて、車椅子でちゃんとホームに上がれるようにしてくれとか、在来線のほうに行きまして、在来線について閉めることなく、自由通路についても全額JR負担できれいにしてほしいとか、かなり多大な要求をそのときもしております。その後、明石駅のほうにやってまいりまして、明石駅のいわゆる東口改札をJRがつくってくれということなども、JRの皆さんにお伝えを申し上げたのが10月10日でございます。

その後11月15日に、いわゆる新聞報道となり、私としては、その新聞を朝刊を見て、こんな朝刊が、どうしてこんな時期にこうなるんだと思ったのが率直なところでございます。

その後12月25日に、JRの本社のほうに私自身が赴きJRと話をしております。そのときに対応されたのは社長ではなく、いわゆる建設工事部の部長さんでございました。そのときに渡されたペーパーが、いわゆるこれ1枚でありましたので、私としては、これまでもいろいろやりとりがあったと聞いていると。それらの資料をオープンにしたいんだがというふうに話をしましたが、JRとしては全て非公式だと。全てイメージの域を出ないので、正式書類はこれだけだというふうな話を部長さんからいただきました。私としては、子どもの使いではないんだから、こんな紙1枚もらって対応できるわけがないという話のやりとりをしましたが、JRとしては大きな組織なので、正式な書類としてはこれ1枚と理解してもらいたいと。私のほうから、じゃあこれまでは何だったのかと聞いたところ、JRとしては全ては非公式だというふうなお答えでございました。

その後、私としては翌日の12月26日に、いわゆる記者の皆さんに対しまして、昨日JRに行ってきたけれども、こんな紙1枚ではとても賛成できないという形でコメントをした、そういった経緯でございます。

既に12月議会でもご答弁申し上げておりますが、これまでのご答弁につきましては、どう対応するかは全くの白紙、現時点では賛成できないとご答弁申し上げてきたわけでありまして、これは私としては当初から一貫してこの姿勢で、今も変わってはおりません。加えて、改めてこういった大きな、本日の新聞報道も受けまして、市民のほうに様々な、言葉はあれですけども、誤解が生じたらいけませんので、改めて市長としての認識をお伝え申し上げますと、端的に言いますと、市民の賛成なくして車両基地はないというのが基本的なスタンスであります。もう少し丁寧に言いますと、基地のみだと絶対反対です。座り込んででも反対するぐらいの覚悟であります。駅がついても反対であります。新幹線の車両基地に新駅が、JR全額負担でつくったとしても私は反対であります。加えて、いわゆる新しいまちづくり、例えばでありますけども、文化スポーツ施設を全額JR負担でつくるであるとか、市民交流施設を全額JR負担でつくるであるとか、そういったことも含めた全体的なまちづくりのご提案があった場合に、初めて検討に値するというのが私の認識であります。

その場合であっても幾つかの条件があると思っております。あえて4条件という形で今日ご説明申し上げますが、まず第1は、当該地域の住民の賛成であります。当該地域の住民が反対であれば、そもそもこんな話はないと思っております。2つ目は、生態系に対する十分なる配慮であります。今日も議員のほうからご質問もいただいておりますし、既に日本野鳥の会の皆様とか、兵庫水辺ネットワークの皆様からもご心配の声をいただいているところでありまして、明石市としてはSDGs未来安心都市を目指しておりますので、地球環境、生態系に対して配慮をしないようなまちづくりはあり得ませんので、生態系への十分なる配慮が最低条件だと思っております。加えて費用の問題でありまして、JRが車両基地をつくりたいのであれば、当然、新駅のみならずそれらについての整備費用は全額JRが持つべきでありまして、市民のお金を使う必要はないと考えております。これらの3条件を満たした後に、市民の皆様が賛成するか否かによって方針が決まっていくと考えておるところでございまして、現時点におきましてJRのほうからは、この紙1枚しか出ておりませんので、明確に私は反対であります。

以上です。

○副市長(宮脇俊夫)

副市長の宮脇でございます。

ご質問の4項目め、新幹線車両基地問題につきまして、市長答弁に続きまして、1点目の市民への情報公開から、6点目のSDGs未来安心都市・明石が目指す未来まで、重なる部分もございますが、合わせた形でご答弁させていただきます。

本市は、東西方向にJR等が通り、鉄道駅を中心とした公共施設、民間施設と人口が集中し、また並行して主要幹線道路網が形成された、コンパクトで便利なまちを形成しているところでございます。とりわけJR各駅及び駅周辺につきましては、まちづくりを進める上で重要な位置づけとしているところでございます。明石駅、西明石駅のホームドアの設置や南畑踏切の立体横断化をはじめ、西明石駅周辺の活性化など、市民の利便性と安全性の向上のため、JR西日本と協力してその取組を進めております。2019年、昨年9月26日には、鉄道沿線の駅を中心としたまちづくりにつきまして、オール明石とオールJR西日本が連携した取組を図ることができるよう、包括連携協定を締結したところでございます。

ご質問の車両基地につきましては、JR西日本との経緯を申し上げますと、一昨年、2018年7月、JR西日本より本市を車両基地設置の候補地として検討しているとの相談が政策局都市開発室にございました。本市としましては、連携してまちづくりを進めるJRからの相談でありましたので、以降、都市開発室を窓口として、JR西日本の車両基地や新駅及び駅を中心としたまちづくりについての考えや想定の説明は受けてまいりました。また、JR西日本からの情報提供の依頼等があれば答えてまいりました。しかしながら、これらはあくまでも情報交換のためでありまして、市といたしましては、車両基地について何ら方向性を持ち合わせているわけではなく、全く白紙の状態でJR西日本とのやりとりを行ってきたものでございます。これについては、先ほどもございましたが、昨年12月市議会におきまして、市長より、車両基地や新駅など市としては望んでいるものではなく、全く白紙である旨、ご説明申し上げたとおりでございます。

その後、昨年12月、先ほどもありましたが、市長自らJR西日本本社を訪問し、正式な提案を受けましたが、その提案内容は、新幹線車両所、新駅のイメージ図に関する資料1枚のみでございました。そのため、市長からは、これでは議会や市民に説明することもできず、新駅や車両基地は到底賛成できない旨をJR西日本に伝えられたところでございます。なお、JRからは、本年3月をめどに具体的な提案を行いたいとの申出を受けております。

このように、一昨年7月に相談を受けたときより現在に至るまで、本市としては、車両基地については全く白紙の状態でございます。また、本年3月に具体的な提案を受ける予定でございますが、現時点ではその内容は不明であり、提案を受けました時点で提案内容を十分に吟味し、精査の上、市民の皆様や議会にご報告し、提案の取扱いについても慎重に検討してまいりたいと考えております。なお、検討を行うこととなりました場合には、議員ご質問にございます2点目の明石市農業基本計画との整合性、3点目の自然環境への影響、4点目の生活環境への影響、そして5点目の総合治水対策への影響等につきましても、大変重要なポイントであり、それらを十分に踏まえた検討をしてまいりたいと考えているところでございます。

とりわけ、6点目のご質問にございます、SDGs未来安心都市・明石を目指す本市としましては、まちに対する市民満足度をさらに高め、暮らしの質を重視したまちづくりを加速させ、持続可能な誰もが住みたい、住み続けたいと思うまちの実現を図ろうとする中におきまして、車両基地及び新駅を中心としたまちづくりの計画が、本市にとりまして市民の皆様にとりまして本当によいものか否かにつきまして、その点を第1の物差しとして、皆様のご意見をよくお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。JR西日本からの提案がなされた段階で、改めてご報告させていただき、ご意見を伺ってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

○議員(丸谷聡子)

それで、4項目めの新幹線車両基地問題についてお聞きします。今、市長のほうから、市長自身の経過、どのように車両基地の問題を知って話を進めてきたかという経過を丁寧に説明していただきましたけれども、こういったまちの在り方とか、市民の生活が一変するようなことは大問題ですから、少なくとも私が情報公開して明らかになった内容は、市長は自治基本条例に基づいて議会や市民に知らせる責務があるのではないかと思うんですけども、これだけの説明じゃなくて、もっと詳細なことが出てきていますから、そのあたりはどのように公開していくのか、お聞きしたいと思います。

○副市長(宮脇俊夫)

副市長の宮脇でございます。

これまでの経過、やりとりについては、先ほどもう市長が一番重要なポイントの数々をご説明申し上げたとおりでございます。そして、これまでのやりとり、先ほども答弁させていただきましたが、あくまでも市としては白紙の状態で、もうはっきり去年の12月25日に言われましたとおり、JRの社としては公式なものではない、社としての意思ではない、あくまでもたたき台としての想定としてのやりとりでございますので、一番肝心なのは、市として市長がどう考えておられるかということで、その点については今、市長がこれまでのやりとりの重要なポイントと、市長のお考えを述べたとおりでございます。それでご了解賜りたいと考えております。

○議員(丸谷聡子)

そういった本当に白紙の状態で非公式であっても、JRとのやりとりだけで20回以上、何度も何度も打合せをされて、そしてしかもその中に市がJRに提出された資料の中には、市の考え方として、車両基地だけでなく、車両基地を含めた多面的なまちづくりを進めるというふうにはっきり書いてありますし、JR側に、何かかなり色よい対応をしているようにも思います。また、さっきの市長のご答弁からも、明確に反対でありますと言いながら、新しいまちづくりの提案が出てきたら、それは考えますっていうことで、その新しいまちづくりの中身は、その生態系を保護するというものではなくて、文化スポーツ施設があったり、それは基地と新駅と文化スポーツ施設とか、そういう新しいまちづくりがセットであれば、あの地域の生態系は守れないと思うんですね。そこは相反すると思うんですけど、そのあたりのところはどのように考えておられるのか、お聞きしたいんです。

○市長(泉 房穂)

大変重要なテーマでありますので、改めてご答弁申し上げます。繰り返し、今、副市長のほうからも答弁ありましたが、市としては、いわゆる全くの白紙というスタンスで来た認識でありますが、先ほどご答弁申し上げましたように、全くの白紙といっても、市民に誤解が生じたらいけませんので、現時点においてはJRからのご提案は、まさにこの紙1枚ですので、この紙1枚だけが正式な書類と私は言われましたので、もう一回ご答弁申し上げますけど、もう大分言うたんです、こんな紙1枚で帰れませんと。これまでだっていろんな紙、JRからもらってるんだから、これもちゃんと市民や議会にも説明申し上げたいとお伝えしたんですが、この紙1枚だけが正式で、それ以外のものは非公式という認識してくださいと言われましたので、私としては、翌日の会見でこれ1枚としたものでございます。

もっとも、公文書公開請求をいただいておりますので、私としては公文書公開請求につきましては、まさに市の持ってる情報は全て市民の情報をという基本的なスタンスがありますので、基本的にはしっかりと情報公開に隠すことなく、しっかりと情報公開すべきだと思っております。

そういった中で議員ご指摘のとおり、既に本日の新聞報道も含めて、市民のほうにも様々な情報が認識されている状況でありますので、それを踏まえて明石市として、改めてどういった形で情報提供をさせていただくかというのは、早急に検討して情報提供していきたいと思います。

そしてもう1点のスタンスにつきましては、全くの白紙だと誤解を招きますので、これ1枚の段階では、私としては反対としか言いようがありません。もっとも、幅広いテーマですので、今日が全てで未来永劫反対というのは早過ぎますので、もっと魅力的な提案があるかもしれませんので、その場合には、まさにお諮りを申し上げて、繰り返し申し上げますが、当該地域の住民の、地域住民の賛成、そして生態系に対する十分なる配慮、さらにコストの問題、それを踏まえた上で議会の皆様にお諮り申し上げ、議会の賛同が得られるか否かということなどが最も大きなポイントだと思っております。

以上でございます。

○議員(丸谷聡子)

生態系と新しいまちづくり、生態系の保全、また本市が気候変動の非常事態宣言であるとか、地球環境のことを取り組むことと新しいまちづくりというのは、なかなか整合性がとれないと思いますので、その辺もじっくり考えていただきたいですし、私自身が最後にSDGs未来安心都市・明石が目指す未来について、6点目で申し上げた事例がありますように、東京の練馬区であるのは、農業自体を守る、そういう政策をしっかりやってるんですね。だから、農家の方が農地を売りたくなるようなものではなくって、もっと明石市として、全体で本当にオール明石で明石の農地を守るような、そういう仕組みをつくらないと、もうこの車両基地だけの問題ではなくて、明石の中からどんどん農地も消えていきますし、そういう意味ではSDGsと違う方向に私は進んでいくと思いますので、そういう意味で、この車両基地の話をきっかけに、都市の農業というのをもう一回見直して、明石として何ができるかということも考える、そういう1つの課題提起をされたと思ってるんですけれども、そのあたり、生態系の保護と明石の生態系を守るためには、農業を守らないと生態系も守れないというふうに私は確信しておりますので、そのあたりについてちょっとお考えをお聞きしたいと思います。

○副市長(宮脇俊夫)

副市長の宮脇でございます。

まず、この車両基地とご指摘があります農業、自然、生活、治水まで含めた、こうした課題への対応、これはもう非常に難しい課題であると思います。そうした中で、1つそもそも、例えばご指摘の点は、農業自体、市内、例えば東播磨地域でも位置づけがある、この明石の農業をどうしていくべきか、そういった視点での検討も非常に重要かと思っております。これを契機としまして、当然、農業全体も含めた、ただ単にこの区域だけではなく市内全体での農業や自然や生活や治水や、それらも含めた全体を踏まえながらの、やっぱり検討が必要かなというふうに思っております。

以上でございます。

○市長(泉 房穂)

大変な重要なテーマの議論が続いておりますが、改めて、私自身もといいますか、いわゆる漁師のせがれで、おやじもおじいちゃんも漁師で、まさに第1次産業、漁業にて生きてきた流れがございます。そういった意味でも、基本的なベースとしては、漁業や農業は大変重要だと思っております。そういう意味では農業を守る、生態系を守ることの必要性は強く認識している立場でございます。

他方、JRとの関係につきましても、私も相当JRにいろんなお願い事をしてきて、大変JRにも明石のまちづくりのお力添えを賜ってきた経緯もございます。こちらのほうでお願いすることばかり強く言ってJRの要望をそもそも全く聞かないということは、もうさすがにそれは過ぎていますので、JRのほうから誠意ある対応があるのであれば、しっかりそれをお聞かせいただいて、市民の皆様をはじめ、議会にお諮りする立場だと思いますので、現時点で未来永劫どうこうというのは早過ぎると思っております。ただ、少なくともこの紙1枚を正式書類と言われている立場としては、それは反対と言わざるを得ないということでご理解願いたいと思います。