新幹線車両基地問題について

令和2年第1回定例会6月議会(6月15日(月)) 質問3項目め

○議員(丸谷聡子)

3項目めは、新幹線車両基地問題について。

1点目は、3月議会において、JRからは本年3月をめどに具体的な提案を行いたいとの申出を受けているとの答弁がありましたが、その後の状況についてお聞きします。

2点目は、2項目めでも申し上げましたが、コロナ後の持続可能なまちづくりのキーワードは、地域の自立、地産地消です。明石の未来に新幹線車両基地は必要なのでしょうか。今こそ、優良な農地を守っていくという考え方をはっきり示すべきだと思いますが、市の見解を問います。

○政策局長(横田秀示)

政策局長でございます。

私からは、御質問の3項目め、新幹線車両基地問題につきまして順次お答えいたします。

まず、1点目の現状についてでございますが、先般、JR西日本より具体的な提案を延期したい旨の連絡があり、車両基地に関する具体的な提案につきましては、3月をめどに社内調整を進めていたところではありますが、社内調整に時間がかかっていた中、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、経営環境にも多大な影響が出ているため、JR西日本としては車両基地の必要性について変わりはないものの、今後の社会経済情勢を踏まえ、スケジュール等を見直す可能性があることから、現在は市に対して提案できる状況にはなく、延期したいとのことでありました。また、今後の提案時期についても未定であるとのことでございます。

次に、2点目の今後の市の考え方についてでございますが、車両基地に対する市の考え方は、これまで議会で御説明させていただいたとおりでございます。今後、改めてJR西日本から具体的な提案の動きがありましたら、議会に御報告、御相談させていただきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。

○議員(丸谷聡子)

これは3項目めの新幹線車両基地問題についてもつながることなんですけれども、先ほどの答弁で、JR西日本から延期というお話があって、時期も未定だということでした。今、止まっているパイプラインの工事、どうするんですか。明石市はずっと受け身じゃいけないと思うんですね。市として、こういったJRの返事に対して、どういった態度できちっと毅然とお話しするのかというのは、私、問われていると思います。

市長、一昨日、私、国立環境研究所の生態リスク評価・対策研究室の五箇室長の講演をお聞きしました。五箇室長は、コロナ後の社会のキーワードは地産地消、そして地域固有の生態系の保全、そしてグローバリゼーションから脱却し、ローカリゼーションと持続的可能社会へとパラダイムシフトをしなければならないと言われていました。明石市は、地球温暖化対策としても、感染症に強い自治体となるためにも、第一次産業に軸足を置いたまちづくりをしていかないといけないと思います。そのためには、明石は新幹線車両基地は要らないと、こちらからはっきりお伝えすべきだと思いますし、SDGs未来安心都市を目指すコロナ後の明石のかじ取り役として、市長のお考えをはっきりお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○政策局長(横田秀示)

政策局長でございます。

先ほど御答弁申し上げましたとおり、今現在、JR西日本からは具体的な提案がなされていない状況でございまして、全く議論が進まないという状況でございます。また、第一次産業、地産地消、これは大事なテーマでございますが、今後、コロナ社会の変化によりまして、あと社会でありましたり、経済でありましたり、どんな状況が出てくるかということも見据えていかないといけないというふうに考えておるところでございます。ですので、今現時点では、明確な車両基地は要らないでありますとか、そういう御答弁はできないというふうに考えております。

以上でございます。

○市長(泉 房穂)

丸谷議員からの改めての質問でございます。このテーマは何度もそれぞれの本会議にて御答弁申し上げておりますが、大変関心も強く、明石のこれからの重要なテーマでありますので、改めて私のほうから御答弁申し上げます。

経緯につきましては、これまでの本会議で御答弁申し上げていますが、今、局長のほうからも話がございました、明石市とJRとは様々な分野について、いろいろ相談をしたりしながら、様々なことを進めてきた経緯もございます。その中におきまして、JRのほうから、いわゆる車両基地のテーマについても議題として出されているのは事実でございます。それにつきまして、市長個人としての思いにつきましては、既にこれまでも答弁申し上げておりますが、私個人としては、車両基地だけと言われても、それは反対だと明確にお伝えしておりますし、車両基地に駅がついても、それだけでも足らないという形で賛成できないというふうに御答弁申し上げた経緯がございます。この点につきましては、既にこれも答弁しておりますけども、私としては、基本的には、まずその周辺の地域の住民の御理解、賛成が大前提であり、それに加えて、生態系にしっかりした配慮をしていくこと、これも当然の前提であると思います。それに加えて費用負担につきましては、原則、JRのほうで負担頂くというような状況に基づいて、JRが何らかの提案があるのであれば、それを市議会のほうに速やかにお伝え申し上げ、議論を始めるのかなというぐらいの段階でございます。繰り返しになりますが、市長、私自身が車両基地が欲しいわけでも、来てほしいと思っているわけでもありません。ただ、様々な可能性というものを、市としても大きな組織であるJRとともに進めていくことは、幅広いまちづくりについては、もちろんそれは聞く耳は持つというスタンスでございます。繰り返しになりますが、JRのほうからは、3月末にもと言っていた提案が延期になり、コロナの情勢の中で、いつ再度動きがあるかも分からないというふうに聞いておりますので、当面のところ、コロナの状況がどうなるかを踏まえた後に、JRから何らかの動きがあり次第、速やかに市議会のほうに御説明申し上げたいと思っております。

以上でございます。

○議員(丸谷聡子)

市長、御答弁頂きましたけれども、JRからいつ提案があるか分からない状態で、しかもこの話があったから地元のパイプラインの工事が止まってしまっている、こういう状態を地元の方にどういうふうに説明するんですか。最後にそれをお聞きしたいと思います。

○市民生活局長(中島 真)

市民生活局長でございます。

農業部門を所管しております私のほうからお答えさせていただきたいと思っております。パイプラインの工事、確かに地域の皆さんの御理解を得て、実施すべく予定しておりましたけれども、こういう車両基地の関係もございまして、今、見合わせているところでございます。この計画、先ほど政策局長が申し上げましたように、いつの時期に、どういった内容か、まだ未定の状況でございます。農業部門を所管している者としましては、当面は様子をしっかり見させていただくということになろうと思います。しかしながら、これが10年、20年というような形で長期にわたって待つということになると、パイプラインがやはり維持管理上、まずいということになりましたら、その場合には、どうした方策が必要か、先行してやらないかんのかというようなことも含めて検討してまいりたい、このように思っております。

以上です。