次世代につなぐ環境にやさしいエネルギー政策について

令和2年第2回定例会9月議会(9月16日(水)) 質問4項目め

○議員(丸谷聡子)

4項目めは、次世代につなぐ環境にやさしいエネルギー政策についてです。

本年3月の気候非常事態宣言で、2050年、CO2排出実質ゼロを表明した本市は、先進的かつ効果的な施策を積極的に進めていかねばならないと考えますが、いまだに具体的な取組が示されていません。そこで、以下の4点の具体的な施策を提案し、見解を問います。

1点目、おうち発電の推進について。おうち発電は、小型の太陽光パネルをベランダなどに設置して電気を自ら作り出し、車のバッテリーなどに蓄電する、送電網を使わないオフグリッド電源です。私も昨年12月、豊中市民エネルギーの会主催の講座に参加させていただき、作成したこのようなパネルでおうち発電所を開設しています。この小型パネルで、大体50ワットの発電能力がありまして、1日3.5時間の太陽を当てると、軽四自動車用のバッテリー半分の蓄電ができます。これはスマートフォンだと30台分をフル充電できるだけの電力になります。家庭菜園で野菜を育て、おうちで料理して食べるのと同じように、家庭で電気を作り出し、消費する体験によって、節電や省エネ意識が芽生え、市民みんなでCO2削減に向けて取り組む市民参画推進につながると思います。さらに、先ほどスマホの充電のことも言いましたが、災害時の電源確保にもなりますから、一石三鳥の効果が見込まれます。気候非常事態宣言後の目玉施策として、楽しみながら地球温暖化防止に取り組める、このおうち発電への補助や講座の推進をしてはどうでしょうか。

2点目、やさしい電気への切替えの取組について。大阪府吹田市は、太陽光や風力など、自然由来の電気をお得に利用したいと考える市民や個人事業者を募集する、みんなで簡単やさしい電気の切替キャンペーンを開始しました。この取組は、自然由来の電気を利用する市民が増えることで、社会全体で再生可能エネルギーの普及が進み、地球温暖化など環境問題の解決につなげるというものです。本年8月には豊中市とも協定を結び、連携・協力が始まっています。本市においても市民が再生可能エネルギー比率の高い電気への切替えを検討しやすくなるような取組を推進してはどうでしょうか。

3点目、公共施設への再生可能エネルギー導入や省エネ対策について。公共施設への太陽光パネルの設置、省エネ施設への転換など、市として積極的な取組を推進すべきではないでしょうか。

4点目、公共施設への環境にやさしい電力調達について。公共施設の電力調達における競争入札においては、現在、電気の質に関係なく入札額が一番安い業者が落札をしています。気候非常事態宣言をし、SDGs未来都市を目指す本市においては、環境配慮方針を早急に策定し、再生可能エネルギー比率の高い電力の調達を行うべきではないでしょうか。

以上です。

○環境部長(石角義行)

環境部長でございます。

私のほうからは、御質問の第4項目めの、次世代につなぐ環境にやさしいエネルギー政策についてに順次お答えいたします。

まず、1点目のおうち発電の推進についてでございますが、再生可能エネルギーの普及のため、また非常時の電源確保の1つの手段として、ベランダ発電に取り組んでいる団体も既にございまして、本市としましても、再生可能エネルギーを身近に感じることのできる取組の1つであると認識しております。補助制度の創設に当たっては、二酸化炭素の削減効果、おうち発電の安全性や耐久性等を慎重に検証する必要があると考えております。しかしながら、市民の再生可能エネルギーに対する意識づけには有効なものと認識しておりますので、気候非常事態宣言を表明した本市といたしまして、おうち発電のみならず、市民への再生可能エネルギーの啓発方法について幅広く検討してまいります。

次に、御質問2点目の、やさしい電気への切替えの取組についてでございますが、本市では平成30年6月に策定しました明石市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)におきまして、家庭から排出される二酸化炭素を、2030年度までに2013年度比で約40%削減することを目標と掲げており、再生可能エネルギーの比率の高い電気に切り替えることは、家庭からの二酸化炭素の排出削減に大変有効な方法と認識しております。今後は吹田市での取組を参考に、事業スキームや再エネ比率の高い電気への切替え手法等について、まずはしっかりと調査してまいります。

次に、御質問3点目の、公共施設への再生可能エネルギー導入や省エネ対策についてでございますが、本市ではこれまでも明石クリーンセンターにおけるメガソーラーやごみ焼却熱を活用した発電、南二見の未利用地を活用した太陽光発電、西日本こども研修センターあかしなどの公共施設における太陽光発電の設置など、再生可能エネルギーの導入を進めてまいりました。また、市役所新庁舎につきましても、昨年度策定しました基本計画において、環境への配慮とライフサイクルコストの縮減を整備の基本方針として掲げており、太陽光発電パネルの設置や吹き抜けを利用した自然採光、換気など、環境配慮型庁舎の整備に向けて設計に着手したところでございます。今後も既設の公共施設について、老朽化や耐震基準等の問題もございますが、施設改修にあわせて可能な範囲で導入を検討するとともに、新たに建設する公共施設におきましては、再生可能エネルギーの導入を基本とするなど、さらなる普及啓発を推進してまいります。また、省エネ対策につきましては、平成31年3月に、地球温暖化対策実行計画(事務事業編)を策定し、省エネ対策に取り組んでいるところでございます。引き続き同計画に基づき、省エネ施設への転換をはじめ、設備機器の運用改善、エコオフィス行動などの省エネ対策を推進してまいります。

最後に、御質問4点目の、公共施設への環境にやさしい電力調達についてでございますが、本市では財政健全化に向けて電力一括調達の取組を進めているところでございます。令和2年度におきましても、市内92施設ある高圧受電施設について入札を実施し、その結果、電力使用料金について年間約1億6,600万円削減できる見込みとなり、大きな成果があったものと考えております。電力調達の入札の際に再生可能エネルギー比率を考慮した入札を実施している自治体もございますが、本市といたしましては今後の電力調達につきまして、引き続きコスト削減を図りつつ、再生可能エネルギーの活用等も図ることができる手法について環境配慮指針の策定も含め、他市の事例、電力市場における再生可能エネルギーの状況等について調査研究を行ってまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。

○議員(丸谷聡子)

最後、4項目めですけれども、電力調達のところについてお聞きします。昨日、緑の在り方の質問にもありましたけれども、公害は随分ましになったかもしれませんが、地球温暖化はどんどん進んでいます。事業者にもお世話になり、そして市民の方にも御理解頂くためには、まず自治体が見本を見せるべきだと思います。電力調達について、しっかり環境配慮方針を策定してやるべきと思いますが、いかがでしょうか。

○財務部長(箕作浩志)

財務部長でございます。

電源調達は財務担当でやっておりますので、お答えさせていただきます。

気候非常事態宣言をいたしました本市といたしましては、これまでのようにコスト面だけを重視するのではなく、やはり今後、再生可能エネルギーの利用拡大、これについても考えていく必要があると考えております。ただ、平成29年度にも答弁させていただきましたが、やはり電気料金が今から3,000万円ほど高くなるというようなこともございますので、既にこれまで提案頂いた施策もたくさんございます。その辺については、地球温暖化にどの施策が有効なのかということを、その限られた財源の中できっちり環境部局と検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願いいたします。