市立幼稚園における特別支援の体制について

令和2年第2回定例会12月議会(12月7日(月)) 質問2項目め

○議員(丸谷聡子)

2項目めは、市立幼稚園における特別支援の体制についてです。

明石市立幼稚園において、介助員による個別の支援を必要とする園児数は、2018年度183名、2019年度236名、2020年度は307名と、年々約3割ずつ増えています。しかし、その一方で介助員の人数は、2019年度86名、2020年度82名と、昨年度より4名も少なくなっています。その上、昨年度までは支援が必要な園児1人に対して1人の介助員を配置していましたが、今年度は幼稚園ごとに介助員を配置し、運用は園に任せるという体制に変更されています。そのことにより、保護者の方々から、なぜ体制が変わったのか、1対1の介助があるから明石に引っ越したきたのにがっかりしている、今年度から子供2人に1人の介助員配置になり、おとなしい我が子はいつもほったらかされている状態、そのため今までのようにお友達とのコミュニケーションの橋渡しをしてもらえず、孤立してしまっている。このまま小学校に上がるのがとても不安。また、全く逆の声として、介助員の先生がうちの子供にかかりきりになっているので申し訳なくて、ほかのお母さんからどう思われているかと思うと親同士のコミュニケーションをとることもためらってしまうなど、とても悩まれている声をお聞きしました。私がお母さんたちの声をお聞きして一番驚いたことは、体制が変わったことにより、見てもらえなくなった側も見てもらえている側も、両方によくない状況が生じているということです。子育てにやさしい、誰一人取り残さない子育て施策を推進している明石市として、これでよいのでしょうか。幼児期にしっかり支援の手を入れることで子供たちの未来は確実に変わります。現状をしっかり受け止めて、新たな体制づくりが必要であると考えることから、以下の4点について質問いたします。

1点目、介助員の配置について、なぜ今年度から基準が変わったのでしょうか。

2点目、幼稚園の人員配置について、支援が必要な園児数の増加に合わせて介助員の増員、さらにはフリー教諭の配置などの体制強化が急務であると思いますが、市の見解を問います。

3点目は、市内9園で開設されている個別通級指導を行う、つくしの部屋について、本来は1か月に1回程度の指導が望ましいそうですが、今年度は1か月半から2か月に1回になっていたり、複数対応になっていたりしているようです。支援が必要な園児が増えているのなら、早急に教室の増設が必要です。私は、せめて中学校区に1つは必要だと考えますが、市の見解を問います。

4点目、明石市立発達支援センターが発行しているサポートノートかけはしについて、支援のツールとして活用されているのでしょうか。また、活用する際には情報の管理、教諭、介助員間での十分な引継ぎなどが適切に行われているのか、市の見解を問います。

○こども育成部長(藤城宏樹)

こども育成部長でございます。

御質問2項目めの、市立幼稚園における特別支援の体制について、順次お答えいたします。

1点目の、介助員の配置についてでございますが、市立幼稚園では、入園前に実施する就園相談の際に園児の様子を観察し、個別通級指導の必要性と介助員の配置について決定し、保護者にその結果をお知らせしているところでございます。これまでの介助員による支援は、曜日を決めて園児に対し職員が1対1で支援をしておりましたが、介助員が配置される日が少ない園児にもより支援が届くよう、今年度から試験的な取組として1対1の個別配置から、幼稚園ごと、クラスへの配置といたしました。一人一人の支援の密度は下がるものの、毎日適切なタイミングで支援ができ、園児同士の育ち合いも促しやすいなどメリットがございます。しかしながら、支援が少なくなったと感じられている保護者の声もお聞きしているところでございますので、今年度の取組を振り返り、より望ましい支援ができる介助員配置について検証するとともに、介助員の配置に関し、保護者に対してより丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。

次に、2点目の幼稚園の人員配置についてでございますが、平成30年度に76名だった介助員の配置数は、令和元年度に4名増、今年度2名増を図り、現在は82名を配置しているところでございます。また、預かり保育を行う前の保育時間に預かり保育を担当する職員を配置し園児への支援を行うなど、園の職員が一丸となって保育に当たっているところでございます。しかしながら、支援を要する園児は大幅に増加していることから、介助員のさらなる増員を図ってまいりたいと考えております。

次に、3点目の個別通級指導つくしの部屋についてでございますが、つくしの部屋は、特別な支援を要する園児に対し一人一人の特性に合わせて、幼児教育相談員と一緒に発達を促すための様々な遊びや課題に取り組み、自信をつけ、自尊感情を培うことを目的とし、また保護者に寄り添った相談も行う通級指導教室でございまして、現在、市内9園で実施しております。3歳児保育の実施など、幼稚園の受入れ拡充策などにより園児数が増加していることに伴い、通級指導教室のニーズは高まっており、通級園児数は、この3年間で169人から251人と約1.5倍に増加しているところでございます。これにより、これまで4週間に1回程度である通級のペースが1か月以上空いてしまう場合も出てきている状況であることから、来年度は1教室の増を図り、通級の機会の確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。

最後に、4点目のサポートノートかけはしの活用についてでございますが、サポートノートかけはしは、保護者が幼児期から高校までの子供の成長を記録し、支援をつなぐためのノートであり、幼稚園の教諭等に子供のことを伝えたり、相談する際に活用できるものでございます。入園時に保護者の方がサポートノートをお持ちになられた場合、園長、担任、幼児教育相談員等で情報の共有を図りますが、ノートに記載された性格や得意なこと、苦手なことなどの様々な情報は、少しでもスムーズに園生活を開始するに当たり大変役立つ情報でございます。特別な支援を必要とする園児に対し、全職員が同じ方向で関わることができるよう、園でのサポートノートの活用について、しっかりと周知徹底を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。

○議員(丸谷聡子)

それでは2項目めに入ります。時間もありませんので、すみません、ダイレクトに市長にお聞きしたいと思います。予算のこととか言われましたけれども、ここは明石の大事にしている政策だと思いますので、試験的な取組ということでしたけど、ぜひ来年度は今までみたいに、しっかり介助員を増員していただいて、1対1の対応というのを検討していただきたいんです。そういう声をたくさん聞いています。また、幼稚園というのは、保育所と違って主幹教諭の先生もクラス担任持っておられるそうなんですね。園長先生も退職校長先生が務められている園は、幼稚園教諭の免許がありませんから園児を指導することができない。預かりスタッフさんも事務もお願いしているわけですから、なかなか手が空かないということで、大切なお子さんをお預かりしている以上は、安全面から考えても、今ぎりぎりの人員で回している状態というのはすごく心配です。ぜひ、もう少し余裕のある人員体制にしていただきたい。

先ほど、介助員を増員するとか、通級1つ増やすとか言ってましたけど、通級はやっぱり中学校区に1つ、通級教室のある園はすぐに支援につながったり、すごく効果が高まるというふうにお聞きしてますので、そういったこともぜひ検討していただきたいんですね。ぜひ、市長、今回のお母さんたちの悲痛な声を私、お届けさせていただいたので、ぜひ改善していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

○こども育成部長(藤城宏樹)

こども育成部長でございます。

先ほどお答えいたしましたように、介助員につきましては、今年度の配置を踏まえ、より望ましい支援ができる配置について検証するとともに、可能な範囲での増員を検討してまいります。また、先ほどもお答え申し上げましたとおり、つくしの部屋につきましては、1か所増設して10か所で実施するよう準備を進めてまいりますが、特別な支援を要する園児も増加している状況がございます。まずは10か所での利用状況を十分見極めて、その上で課題も多くございますが、通級が必要なニーズの増を踏まえまして、増設についても検討してまいりたいと考えております。

以上でございます。

○市長(泉 房穂)

丸谷議員からの大切なテーマの御質問でございます。結論から言えば、全ての子供たちにとってより望ましい環境をつくっていくのは行政の責任であると、そのように思っています。そういった中で明石市としては、御案内のとおり子供にかける予算も2倍以上に増やす対応をとってきておりますが、まだそれでも十分とは言えない状況だと認識をしております。いろんな所でお伝えしておりますが、私も30数年前の大学時代から教育学部で、当時からヨーロッパは、もう20人学級が当たり前で、障害のあるお子さんにマンツーマンでつくのが当たり前でありました。いまだ日本はそのようになっておりません。率直なところ、国のほうがもっとしっかりとこういったテーマについて寄り添っていただくことを強く願う次第でありますけども、ただ、国ばかりを待つわけにもいきませんので、明石市として、少し答弁、前向きに答弁させていただいておりますので、さらにしっかりと検討した上で、できるだけ寄り添う対応に向けて頑張っていきたいと思います。

以上でございます。