子どもの命を真ん中にした子どもの居場所づくりについて

令和2年第2回定例会12月議会(12月7日(月)) 質問3項目め

○議員(丸谷聡子)

3項目めは、子どもの命を真ん中にした子どもの居場所づくりについて。

私は今まで何度も、明石市の子供たちが生きているだけですばらしいと感じられる居場所として、経験豊富な民間の力をお借りして、公設民営のフリースクールのような、地域で育ち合う居場所が必要であると申し上げてきました。先日、2年前に視察に伺い、明石にもこんな場所が欲しいと思い続けている川崎市子ども夢パークの西野所長が明石にお越しくださり、子供の居場所についての講演をしてくださいました。その講演の中で、このコロナ禍だからこそ、子ども夢パークは子供たちの最後のとりでとして、川崎市も例外的な判断をして開け続けたとお聞きして感動いたしました。その1つの事例として、発達障害のお子さんを持つお母さんが、子供が狭いアパートで飛び跳ねて周りからうるさいと言われ、近所の公園に連れていったら、今度は緊急事態宣言が出ているのに不謹慎な親と白い目で見られ、それで1時間以上歩いてやっとの思いで子ども夢パークにたどり着かれたそうです。奇声を上げながら思い切り水遊びをする我が子の姿を見て、お母さんは、ここが開いていてよかったと座り込んで涙を流されたそうです。このようなお話をお聞きして、きっと明石でも同じような思いをされたお母さんがたくさんおられるのではないだろうか、子ども夢パークのない明石のお母さんたちはどうされたのだろうと思うと胸が痛みました。

さらに、講演の中で、正しさが充満して生きづらい子供が増えている、子供の命を真ん中に生きているだけですごいことを伝える場、何もしなくてもいいことを保障する、高校生になっても来られる居場所が必要であることなどをお聞きして、今だからこそ明石にもそんな居場所が必要であると確信しました。そこでぜひ、子どもたちが生きているだけですばらしいと感じられる居場所、本当は子ども夢パークのような居場所があればと思いますが、まずは公設民営のフリースクールのような居場所づくりから取り組むべきと考えますが、市の見解を問います。

以上です。

○こども企画部長(大津昭夫)

こども企画部長でございます。

御質問の第3項目め、子どもの命を真ん中にした子どもの居場所づくりについてお答えいたします。

学校でも家庭でもない第3の子供の居場所づくりを行うため、市におきましては、地域のボランティアによるこども食堂、あかしこども応援助成金による子供が安心して学習することができる居場所となる地域学習支援、あかしこども広場にある中高生世代交流施設、AKASHIユーススペースの運用等、取組を行っているところです。また、昨年4月に児童相談所であるあかしこどもセンターを設置し、多くの相談を受け付けている中で、学齢期の子供についても、不登校のほか、貧困、虐待など様々な課題を抱えていることを確認しております。その背景は様々あり、個々の子供の状況に応じた支援をしっかり行っていく必要があります。様々な状況に置かれている子供に対し、ファーストアプローチの1つとして、多様な居場所や学びを保障する支援の必要があると考えており、本市や近隣で学校に行きづらい子供に対する相談、学習支援などに取り組まれている関係者の方々から、どのような支援が必要かなどの話を伺ってまいりました。

その中で、ふさわしい居場所としては、安全・安心が確約されている、子供がほっとできる、ありのままの自分でいられる場であることが必要、また、子供たちが自分で考えたことを自分から行うことが必要で、決められたカリキュラムに沿った形での支援ではなく、限りなく大人が手を貸さない、子供たちの意欲と向上心を信じる余裕のある場であることが必要などの御意見を頂きました。これらの御意見も参考にしながら、現在、これまでの居場所の取組に加え、さらに充実していくことを検討しているところです。誰でも気安く、来たらほっとできる場で、信頼できる人の下で自己肯定感が育まれるような居場所づくりとして、行政の支援と比べ柔軟な支援が期待できる民間による支援とも連携しながら、公設民営の子供の居場所についても、前向きに検討してまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。