30by30(サーティバイサーティ)の観点から、大久保北部の 里山の生物多様性を保護・保全することについて

令和4年第2回定例会12月議会(12月8日(木)) 質問4項目め

○議員(丸谷聡子)

4項目めは、30by30(サーティ・バイ・サーティ)の観点から、大久保北部の里山の生物多様性を保護・保全することについて伺います。

30by30とは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標で、ポスト2020生物多様性枠組の主要な目標とされており、2021年6月にイギリスで開催されたG7サミットにおいても、G7・2030年自然協約として合意されています。また、今まさにカナダで開催されているCOP15(生物多様性条約第15回締約国会議)では、採択が目指されている新たな世界目標の1つで、日本でも環境省が基本コンセプトとロードマップを公開しています。

30by30の実現に欠かせないのは、保護地区以外の場所で生物多様性保全に貢献する土地OECMの認定です。そのため、環境省は、社寺林や企業有林、企業緑地、里地里山など、企業や団体、個人、自治体が所有する生物多様性の保全に貢献する土地を、2023年度に全国100地域以上を認定する方針を示しています。こうした世界の流れである30by30やネイチャーポジティブの観点から、本市も大久保北部地域の里山は、開発ではなく、OECMとしての認定を受け、明石市唯一の里山の生態系として、保護・保全していかなければならないと強く考えますが、市の見解を問います。

○環境部長(合田和央)

環境部長でございます。

私からは、御質問第4項目めと第5項目めについて続けてお答えいたします。

まず、御質問第4項目めの30by30(サーティ・バイ・サーティ)の観点から、大久保北部の里山の生物多様性を保護・保全することについてお答えいたします。

ただいま議員より御説明ありました30by30は、2030年までに国土面積の陸域30%、海域30%を保護地域に登録し、保全することとした国の目標のことで、現在は、国立公園など陸域20.5%、海域13.3%が保護地域として位置づけられているところでございます。本年3月30日には、環境省が主催する生物多様性国家戦略関係省庁連絡会において、30by30ロードマップが承認され、保護地域の拡張と管理の質の向上など、目標達成のための主要施策が示されました。本市といたしましても、30by30の観点から、生物多様性の保護・保全することは重要と認識していますので、引き続き国の動向等を注視してまいりたいと考えております。

大久保北部の市有地につきましては、議員御指摘のとおり、一部里山が残る自然豊かな地域であり、キャンプ場跡地については、現在、地元のNPO団体が子供等を対象に自然体験学習を実施するなど、市民に親しまれている地域でもあります。本市が昨年度から実施している自然環境調査も今年度末に完了予定であり、この結果を踏まえつつ、その他の課題も整理しながら、本市のまちづくりの理念であるSDGsを基本に、経済、社会、そして環境の3側面を踏まえた利活用に向けて、議員御提案の里山環境の保全も含め、幅広く様々な角度から検討を進めてまいりたいと考えております。

○議員(丸谷聡子)

4項目めですね、30by30の観点から、大久保北部の里山の生物多様性を保護・保全をすることについてなんですが、これもダイレクトに市長にお聞きしたいと思います。

答弁にもありましたけど、今は市民の皆さんが、本当に明石で唯一の里山を子午線の森というふうに名づけて、その価値の見える化をすべく、すごく頑張ってくださっています。でも、しかし、もう本当にボランティアでやってくださっているので限界があると思いますので、いつまでも大久保北部遊休地という呼び方をするのではなくて、30by30のこういう世界や国の観点、流れもしっかり踏まえて、明石市が主体的に生物多様性を保護・保全して、市民が身近な自然に触れる拠点として積極的に活用していくべきだと思いますけど、いかがでしょうか。

○市長(泉 房穂)

大久保北部でありますが、歴史的経緯の中で今がありますが、私も何度も行かせてもらってますけれども、大変いい場所で、すてきな場所です。まさに明石に残された本当に里山、いいところだと思います。守るべきものだと私は思っておりますので、開発は考えずに自然保護でいきたいと考えております。

○議員(丸谷聡子)

先日、鳥取県智頭町の全国でも有名な、森のようちえんまるたんぼうというのがあるんですけど、そこの園長にお越しいただいて、明石の就学前の小さな子供たち、お父さん、お母さんと一緒に、子午線の森の自然の中で遊んでいただいたんですけど、本当に大人も子供も目を輝かせて遊んでおられる姿に、本当にこのような場所が明石に絶対必要だということを確信しました。里山は一度壊してしまうと元に戻すことはできませんので、今、市長から力強い御答弁を頂きましたけれども、ぜひとも明石のたからものとして大事に次世代につないでいただけるように切にお願いしたいと思います。