明石の子どもたちに多様な学びの場を保障することについて

令和5年第1回定例会3月議会(3月3日(金)) 質問2項目め

○議員(丸谷聡子)

2項目め、明石の子どもたちに多様な学びの場を保障することについて。平成28年12月に公布された教育機会確保法では、学校以外での対応な場で学習をする子どもに個々の状況に応じた学習活動が行われるように支援し、国及び地方公共団体は必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする等と定めています。また、本市においても子ども総合支援条例が策定され、私も本会議においていくどとなく質問させていただき、公設民営のフリースペース・トロッコが一昨年9月に開設されました。無償で通えるフリースクールができたことは本当に良かったと思っています。しかし、令和3年度の文部科学省調査においては、不登校小中学生のうち3人に1人、36.3%が支援を受けられていないという結果が出ており、大変驚きました。明石市は大丈夫なのでしょうか。支援に繋がらず、引きこもってしまったり、命を絶つというようなことがあってはなりません。明石から子ども達に、生きているだけで素晴らしい、そういうメッセージを送り続けるためには、まだまだやらなければならないことがあります。そこで以下の3点について質問いたします。

1点目、本市の不登校の現状について。本市も令和3年度文部科学省調査と同じように、3人に1人は支援を受けられていない小中学生がいるのでしょうか。本市の不登校とその支援の現状を問います。

2点目、本市が実施している多様な学びの場について。もくせい教室やもくせいサテライト教室、明石フリースペース・トロッコなどの本市が取り組んでいる多様な学びの場の現状や課題、今後の取り組みについて見解を問います。

3点目、フリースクールなど、学校外の学びの場を利用する子どもたちへの経済的支援について。私は、この春小学校に入学されるお子さんをもつお母さんから、わが子には化学物質過敏症などのような症状があり、現在の公立の小学校の状況では安心して通うことができないとご相談を受けました。お子さんは校庭でサッカーをしたいと入学に向けてワクワクした気持ちをお話しされているそうですが、現実には学校全体として柔軟剤や合成洗剤の使用しないとか、除草剤を使わないという対策をしていただくのは難しいと思う、本当は地元の小学校に通いたいけれど、そういう対策をしてくれるフリースクールやオルタナティブスクールを選択せざるを得ないとお聞きしました。このお子さんのように地元の小学校に行きたくても行くことができないお子さんもおられます。学校に行かない子どもを不登校と一括りにするのではなく、すべての子どもに多様な学びの場を保証することが必要です。そこで本市もフリースクール等を利用している子どもたちに対し、東京都や鎌倉市などが実施するような経済的支援をするべきではないでしょうか、見解を問います。

○教育局長

教育局長でございます。

ご質問2項目めの明石の子どもたちに多様な学びの場を保障することについて、3項目めの地域の子ども会活動への支援について、順次お答えいたします。

まず、2項目めの1点目、本市の不登校の現状についてでございます。市内市立小中学校の不登校児童生徒数は、約600名と、全国と同様に過去最も高い数字となっております。そのような中、小中学校共に、児童生徒の見守りつつ、不登校のきっかけや継続理由に応じて、個々に応じた支援や働きかけを行っているところです。不登校傾向、不登校にある児童生徒においては、児童生徒理解教育支援シートを作成し、学校生活や家庭での様子、支援内容を6年間、講師間で引き継ぎ、切れ目のない支援に努めております。また、本市が取り組んでおられます不登校未然防止早期対応マニュアルの活用をすすめ、不登校の早期発見、対応を図り、校内での情報共有を密に行った上で、個々に寄り添った支援策を講じ、関係機関につなぐなどの不登校の未然防止に努めております。加えて校内のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーや市立発達支援センター、明石こどもセンター、県立清水が丘学園などの関係機関につなぎ、悩みを抱える児童生徒とその保護者にも寄り添ったきめ細やかな支援を行っているところです。不登校児童生徒にとって、支えとなる周りの大人との信頼関係を構築していく過程が、社会性や人間性を育むきっかけとなり、結果として社会的自立につながることが期待されるところでございます。担任をはじめ教職員が働きかけを行っているところですが、議員御指摘のように学校内のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門家や学校外の関係機関、民間施設等の専門的な相談指導を受けていない不登校児童生徒は国においては約36%でありますが、本市におきましては約25%となっております。

次に2点目の本市が実施している多様な学びの場についてでございます。教室に入りにくい児童生徒のために、小学校では別室や保健室、中学校では校内適応教室で学習や活動ができるようにしております。さらに市適応教室、もくせい教室を市内3っか所に開設し、約70名の児童生徒が自分のペースに合わせて、通出しております。また、様々な体験活動を通して豊かな人間関係構築することを目指し、もくせいサテライト教室を実施しております。活動内容については、少年自然の家での工作体験や調理実習、レクリエーション等がありますが、毎年活動内容を見直し、乗馬体験や海の自然体験をはじめ、市外施設も利用するなど、より活動の幅を広げ、充実した活動を計画実施しておるところでございます。令和4年度は年間8回133名の児童生徒が参加しました。また53名の保護者も参加し、保護者同士の交流ができる場にもなっております。他にも市内6歳から18歳の子どもを対象とした公設民営の施設である明石フリースペース・トロッコにおいても支援を行っているところです。当初は施設定員20名で開設いたしましたが、定員に迫る利用があったため、令和4年4月より定員を30名に拡大しました。加えて利用が少ない場合の定員枠を活用するなど、柔軟な運用に努めているところでございます。トロッコでは子どもたちが安心できる空間で、遊びや学習支援を行っており、子どもたちの主体性を尊重し、近くの公園に行くなど外出する活動を取り入れたり、地域のイベントに参加したり、多様な体験ができるように取り組んでおります。この他にも、フリースクールなどの民間施設でも相談指導を受けられるように、居場所の確保に努めているところでございます。

最後に3点目のフリースクールなど学校外の学びの場を利用する子どもたちへの経済支援についてでございます。令和5年1月末現在では、市立小中学校の不登校児童生徒がフリースクールなどの民間施設において相談や指導を受け、出席扱いとしている人数は46名で、市内では5箇所、市外では大阪や神戸、加古川、姫路など10箇所の民間施設で相談や指導を受けております。個人による経営からNPO法人や社団法人まで、その運営形態は極めて多様で、施設の状況や設備を始め、運営方針や児童生徒への学習指導体制、また学校教育との連携のあり方、毎月かかる費用などそれぞれ施設ごとで異なり、多様化しているのが実情でございます。そのため不登校児童生徒が学校外の学びの場を利用するための経済的支援については個々の民間施設の運営上の透明性の確保や児童生徒への相談指導及び学習支援のあり方、あるいは学習塾や習い事との区別など、様々な課題が存在すると認識しております。議員ご紹介の東京都や鎌倉市などの取り組みも参考にしながら、子ども局と連携して、調査研究してまいりたいと考えております。今後も引き続き不登校のきっかけや継続理由に応じて、適切な支援や働きかけを行っていくとともに、関係機関や学校外の施設等で相談指導を受けることができるよう不登校児童生徒とその保護者への周知を行ってまいります。

○議員(丸谷聡子)

2項目めに行かせていただきます。2項目めの明石の子どもたちに多様な学びの場を保障することについてですけれども、2点目に今実施している多様な学びの場についての現状とか課題というのを聞きしたいんですが、課題の答弁がちょっとなかったように思うんですが、もし足していただけるのであればお願いします。

○教育局長

教育局長でございます。

現状については、答弁させていただきました。課題につきましては、もちろんすべての子どもが、不登校になっている児童が、なかなか十分ケアできてなくて、なっておるということで、もちろん施設だけではなく、十分なケアをしていく必要があるというふうに考えております。

以上でございます。

○議員(丸谷聡子)

支援を受けられてない子が25%いるということで、それは本当に明石としてゼロにして欲しいですし、例えば今、フリースペース・トロッコが定員増やしたというふうに御答弁あったんですけど、実際にそれで足りてるのかどうか、聞かせてください。順番待ちとかその辺は、どのくらいの状態になってるのでしょうか。

○教育局長

教育委員会としましては、フリースペース・トロッコについて、利用の希望があった場合に調整をさせていただいております。もちろん利用待ちというのは、教育委員会としても、状況については掴んでいる状況にはありますけれど、この運用につきましては、トロッコ及び子ども局の方で対応の方をお願いしている状況でございます。

以上でございます。

○子ども育成部長

子ども育成部長でございます。

フリースペース・トロッコにつきまして、定員を20から30にしておりますが、なお現在約30名ぐらいの待機と言いますか、ございますで、先ほどの答弁にありましたけども、登録をしてあまり利用してない方もいらっしゃいまして、その方の承諾を得て、割と使いやすい枠にも利用させていただいているところでございます。でもなお待機が発生している状況でございます。

以上でございます。

○議員(丸谷聡子)

私もですね、トロッコに行きたいけど、全然まだ体験もできていない、待ちの状態の方、お聞きしています。本当にこういう多様な場づくり頑張って下さっているんですけど、まだまだ足りない現状があると思います。フリースペースの増設なんかも、今後はやっていただきたいと思うんですけど、それすぐにはできないと思うんですね。で、今すぐにできることとして提案したいのはこの3点目のフリースクールなど学校外の学びの場を利用する子どもたちの経済的支援なんです。で、ここ市長にお聞きしたいんですけれども、いくつもの自治体が今、経済的支援をはじめています。大きな自治体としては、東京都がこれは教育委員会所管で、フリースクールに通う不登校児童生徒の支援調査研究事業として調査協力金という形で、令和4年度は月1万円、年間12万、令和5年度から月2万、年間24万を出すというふうなことになっています。また、鎌倉市は、来年度予算にあげられてますけど、これは市長部局の方で、子ども未来部青年課所管で、市がフリースクールの認定基準を決めて、認定されたフリースクールに対して実費の三分の一、月上限2万円を所得制限なしで補助するという、そう制度設計されているそうです。でまあ、大阪市は以前から塾代助成事業をされていますので、こういった経済支援を参考にしていただいて、東京都以外は子ども局マターというか市長部局マターで予算措置されていますので、実際に明石市民の方からも私もたくさん声を聞いておりますので、是非、子どもを核とした街づくりとしてこういった観点からも取り組んでいただく必要があるテーマだと思いますけど、お考えを聞かせていただけますでしょうか。

○市長

はい、いわゆるフリースクールに関連する再度の御質問であります。大変重要なテーマで、何度も答弁しておりますけれども、まあ今聞いておりまして3点ばかり。まず、一番重要、一番じゃないかな、ポイントはまず目線の転換、いわゆる学校目線、教師目線ではなくて、子どもの立場から選択権を保障していくと、その子にとって何がいいのかですから、必ずしも学校に行かなきゃいけないわけではありません。得てして学校の先生方学校が好きで、なんか学校に戻すだけの発想が強いですけど、それがいい子もいますけど、それがしんどい子もいますから、まさに子どもの立場に立った支援だと思います。

二つ目は選択肢の保障です。ですから学校に行きたい人は学校に、学校の中のもくせい教室もあります、サテライトもあります、トロッコもあります。だから、そういう意味ではまさに、その選択権を保障していく環境整備だと思いますから、それをさらに必要だと考えております。

そして三つ目はですね、そうは言っても課題がまだ多くて、現状いわゆる待機状況になってますから、そうであればその状況を前提にできることとなってきますと、議員御提案のように、市外の部分に対する対応について、緊急対応という選択肢が出てくると思います。ただもっとも、繰り返しになりますけど、既に新年度予算計上している状況ですので、今後の課題だと認識しております。

○議員(丸谷聡子)

こういう課題共有していただいて、ぜひ本当に明石の子ども達、誰一人取り残さないように進めていただきたいと思います。