明石の自然を守るための具体的な取組について

令和5年第1回定例会3月議会(3月3日(金)) 質問5項目め

○議員(丸谷聡子)

5項目めは、明石の自然を守るための具体的な取組について、3点お聞きします。

1点目は、自然を壊すソーラーパネル設置の規制について。近年、山の斜面やため池などへのソーラーパネル設置が問題になっています。明石市においても、自然環境損なう太陽光パネル設置をしないことを明確に定めるとともに、アセスメント制度の導入や人工物への設置の促進など、実効性のある取り組みが必要と考えますが、見解を問います。

2点目、明石の自然の価値を市民に知ってもらう取り組みについて。明石の自然を守り、次世代に繋いでいくためには、多くの市民にその価値を知ってもらい、大切だと思う市民を増やすことが重要です。そのためには、環境教育、自然体験活動など市としてもっと積極的な取り組みが必要だと考えますが、見解を問います。

3点目、明石の自然を次世代に繋いでいくための条例制定について。4項目めで質問した2030年に向けた生物多様性に係る新たな世界目標の枠組みには、2030年までの10年間の緊急行動のための13のグローバルターゲットが示されています。その1つに農業、養殖業、漁業及び林業が営まれている地域が持続可能な集約化やアグロ・エコロジー及びその他革新的なアプローチなどの生物多様性に配慮した活動の適用の大幅な増加などに含め、特に生物多様性の持続可能な利用を通じて、持続可能に管理されることを確保し、これらの生産システムの強靭性、レジデンスと長期的な効率性と生産性、また食料安定保証に貢献し、生物多様性を保全・回復し、生態系の機能およびサービスを含む自然の機能を維持するとあります。本市の場合も、明石の自然を次世代に繋いでいくためには、農業や漁業を守ることが必要だと思います。多くの自治体で里山や里地を保全する条例を制定し、地域の自然を大事にしながら、地域の第1次産業も発展させる取り組みが見られます。本市も是非とも明石の自然を、市民とともに次世代に繋いでいくために、サーティー・バイ・サーティーやネイチャーポジティブを実現するために、里山やため池、海の生態系を保全し、農業や漁業を支援する仕組みの一つとして条例を制定してはどうでしょうか、見解を問います。

以上5項目について、明確なご答弁をお願いいたします。

○環境部長

続きまして、御質問第5項目めの明石の自然を守るための具体的な取り組みについて、順次お答えいたします。

1点目の自然を壊すソーラーパネル設置の規制についてでございますが、本市においては昨年4月に策定いたしました第3次明石市環境基本計画におきまして、地域や自然と共生した再生可能エネルギーの導入推進を図るとしており、再生可能エネルギー導入推進にあたりましては、自然環境や生態系への配慮が必要であると考えています。現在、一定規模以上の太陽光発電設備などの設置にあたっては、環境アセスメント手続きや兵庫県の太陽光発電施設などと地域環境との調和に関する条例の規制がございます。加えて、国は環境省、国土交通省、経済産業省、農林水産省の4章合同による再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会において、再生可能エネルギー発電設備の導入から廃棄までの事業実施段階における課題と取り組みの方向性を2022年10月に取りまとめたところでございます。本市といたしましても、近年の太陽光発電設備拡大による森林伐採や土地開発などに伴う環境への影響が懸念されることから、引き続き国の動向を注視してまいります。

2点目の明石の自然の価値を市民に知ってもらう取り組みについてでございますが、市民に自然の価値を知っていただくためには、明石の自然を身近に感じる機会を体験していただくことが重要と考えています。その取り組みとしましては、これまで多くの市民が参加する環境フェアや自治会、高齢者大学などを対象とした出前講座を開催してきました。また、保育園児や小学生などへの環境体験学習の実施や市内のため池や里山などの環境をテーマにした講座である環境塾の支援等も行なってまいりました。加えて、明石にもたくさんの生き物がいることを知ってもらうため、昨年3月に明石市レッドリスト・ガイドブックを作成し、ホームページの掲載や配布を行い、啓発にも努めてきたところでございます。明石の自然の価値を市民に知ってもらうため、今後もこれらの取り組みを継続し、多くの人に自然を身近に感じてもらう機会を提供してまいります。

3点目の明石の自然を次世代につなぐための条例制定についてでございますが、本市においては、環境を保全する条例としまして、明石市の環境の保全及び創造に関する基本条例を制定しています。当該条例の基本理念として、豊かな環境を将来にわたって維持し、向上させ、現在および将来の世代の市民が、この恵沢を享受することができるよう推進されなければならないと規定し、これまで環境の保護・保全に関する取り組みを行ってまいりました。明石の自然を次世代に繋ぐためには、引き継ぐためには市民に自然の価値を知っていただき、自然の保護・保全への気運の醸成が図られることが重要であると認識しております。一方でその土地所有者に、土地所有者や管理者に自然の保護・保全について理解していただくことや保護・保全を継続して実施できる体制を構築すること、市民、市民団体、行政など多くの主体の関わりが必要なことなどの課題があるところでございます。明石の自然を市民とともに次世代に繋いでいくための仕組みについては、第3次明石市環境基本計画の基本方針の一つとして自然共生社会の実現を掲げておりますので、今後、他市の取り組みも含め、幅広く調査研究して参ります。よろしくご理解賜りますようお願いいたします。

○議員(丸谷聡子)

5項目めですけれども、5項目めの2点目ですね、明石の自然の価値を市民に知ってもらうために、継続してさまざま今やっていることを取り組むっていうような御答弁だったかと思うんですが、今やってるのは結構、市にお願いしますっていうふうに言って、お願いされて、出前とか行ったり、環境学習を手伝ったりされてると思うんですけど、そういう受け身ではなくて、やっぱり一歩進んで、新しい企画を市として出していくような、そういう取り組みはできないんでしょうか。

○環境部長

環境部長でございます。

先程も御答弁をさせていただきましたが、明石の自然の価値を市民に知っていただくためには、明石の自然を身近に感じる機会を体験していただくことが重要であると考えております。そのため、これまで実施してきた取り組みを今後も継続するとともに、市内で活動する市民団体と連携するなど、自然体験の機会の提供に関して、今後、幅広く検討してまいりたいと考えておりますので、宜しくご理解賜りますようお願いいたします。

○議員(丸谷聡子)

また、そういった取り組みの、市民に関心を持ってもらえるための一つとして、今年作られたレッドリストのガイドブックっていうのすごく有効だと思うんですね。すごくいいものが、私はできたと思いますので、まあ今の時代、紙にするっていうのはなかなかあれで、データで使ったり、ホームページに貼っていただいていますけど、やっぱり小中高生はちゃんと副教材として手元にあったほうがいいと思いますので、そういう意味ではレッドリストのガイドブックを、市内の小中学校に、ぜひですね配布していただきたいと思いますが、その辺りはいかがでしょうか。

○環境部長

環境部長でございます。

レッドリストのガイドブックにつきましては、現在市のホームページからダウンロードできるようにしております。ただ、印刷した冊子につきましては、現状主にイベント等で配布しているところでございますが、部数にも限りがございますので、小中学校への配布につきましては、今後その効果的な方法につきまして教育委員会とも協議しながら、検討してまいりたいと考えております。今後、一般市民の方にも手にしていただけるよう、機会を増えるようなレッドリスト・ガイドブックの周知に努めてまいりたいと考えております。

○議員(丸谷聡子)

是非お願いしたいと思います。最初の初年度はまち協だけじゃなくても、もっと制度設計みたいなのにも使えるというふうに聞いてますので、ぜひ確認してください。

で、最後ですけれども、明石の自然を次世代に繋いでいくための条例制定について市長にお聞きしたいと思います。これ明石の自然を次世代につないでいくために、是非こういった条例を制定していただきたいと思いますし、市民参画の会議体を設置するなどして、市民とともに明石の自然を守る仕組みを作りながら進めていくことが必要だと考えます。まあ時間が残り少ないので、是非とも踏み込んだご答弁をよろしくお願いいたします。

○市長

はい、丸谷議員からの環境をテーマにした質問であります。まあ条例につきましては、今質問に今私が言える立場ではありませんけれども、ただ、この間ですね、明石市としてはSDGsを掲げてまちづくりをして参りました。いわゆる長期総合計画もSDGsという形でですね、議会も全会一致で御承認いただく中で今に至っておりますから、御案内の通り、SDGsとは経済のみならず、社会や環境、三つの側面しっかりとやりますってことであって、その三つのうちの一つが環境でありますから、当然のことながら、明石市としては、今後どういう方が市長になるであれですね、環境問題は大変重要であり、明石で最も重要なうちの一つである環境についてのしっかりとした条例制定というものは、当然視野に入ってくると考えております。やはり経済が良くなる為にも、環境に配慮しないと経済よくならない時代ですから、環境と経済対立するものではなく、環境をしっかり配慮してこそ経済が良くなるというのはもう当たり前の考えですから、そうでない古い考えの方々は、ぜひ改めていただきたいと強く願っております。